時にひきこもる思考

考察とnikki 一言で言えば、ただのエッセイ

500円商品券で、ダメージを受ける

たまに衣類などを買いに行く複合商業施設ではポイントカードがあり、そのポイントがたまると500円の商品券が発行される。

ただしそれには使用期限があり、10月の半ばがそうであった。

10月に入った頃より、その期限を意識していた私は、その商業施設に足を運んでいた。
買いたいものを探すために。

しかし、なかなか欲しいものが見つからない。
というのも、お店はすでに薄手のニットを全面的に押し出している。

実は昨年から、セーターを着ないようになっており(ニットカーディガンは着るわよ)、今年もセーター以外で過ごす冬を目的に動いている。

かといって、コートなどの大物をわざわざ品薄なこの時期に、500円券の締め切りが近いからという理由で買ってしまうのも馬鹿馬鹿しい。

本当に欲しいものは大概高価なので、もう少し時間を置くなどして考えてから慎重に買うべきだ。
だから、せいぜいリップや化粧品などの、必ず使う消耗品の足しにするくらいがちょうどいい。

 

そう思って、その締切の当日に買い物に出かけた。

色々見て回り、やっぱり洋服などはもう少し時間をかけて決めた方がいいなと思いながら、本命の化粧品売り場に行こうと思ったところ。

たまたま入った洋服のお店で、プラスチックの伊達メガネが売られている。

「お、いいじゃん」と思いながら一目散に近づいて、試しにかけてみた。

ふむ、悪くない。
あ、こっちの方が形もよさそうだ、どれ・・・

思いのほか、似合ってしまった。

私はグラサンなどの眼鏡類が好きなもので、だいたい夏においては何かしらかけている。
だから、だいたい自分に似合う形のものは、なんとなく分かっているつもり。
(客観的に似合ってるかは、置いといてだ)

今回見つけたのは、本当に形も合いそうなやつで色も今の季節にピッタリだ。

メガネを買うのもいいなぁと思って値札を見てみると、まさかの4500円。
高。

雑貨店に売ってるのは、だいたい2000円以下だというのにまさかの2倍。

そりゃもちろん2000円のものに比べて、ツルだったり、プラスチックの感じもちゃんとしてる。
昔買った安い奴は、塗装が1年で剥げた。

でも眼鏡屋に行けば、もちろんそっちの方が安くはないけれど、ちゃんとした金属でしかも調整までしてくれる。レンズも美しい。

かけ心地は大事。特に私は、顔が曲がってるんだから。
絶対にメガネ店で買った方がいいって!

と思っているのに、手元の4500円のプラスチックメガネから目が離せないでいる。

だって、ここまで似合ってしまっているんだし・・・
今かぶってる気に入りの帽子との相性が最高だし・・・
それに、変装できるようなアイテムを探してたし・・・

気付けばレジの列に並んでいた。

結局、500円の元を取ろうとしたために、4000円の出費を余計に出してしまった。
これでは店側の思うツボだわ。

誘惑に負けたメガネ

これがそのメガネ。4500円、にはとても見えない

しかしそこで話が終わっていたら、それでよかった。
私は買えて嬉しいはずなのに、どういうわけか負けた気分を味わっている。

4000円も払って自分の欲しいものを買ったはずなのに、こんなにネガティブな思いをしているのは何故だろう。

そもそも商品券が無ければ、買おうとも思わなかった。
さすがにプラスチックのメガネのために、4500円もは馬鹿馬鹿しすぎる。

でも、500円という目の前に吊り下げられた人参を前にしたら、他に買いたいものが明確に無かった自分には、さぞキラキラと輝いて見えたのだ。
おまけにお店のガンガンにたかれた照明は、プラスチック用品をやけに輝かせる効果がある。

ああ、もう。
だから私はポイントカードだとか、その手の奴が嫌いなんだ。服なんか見ずに、パンツでも買っときゃよかった。

 

正直、家に帰って改めて、本当にこれでよかったのかと「はい」と言える自信がない。

かといって、じゃあ買わずにいたら後悔がなかったのかと言われると、それはそれで後悔してた気がする。諦めることもまた、ストレスであるのだから。
(買う後悔、買わない後悔なら「買う後悔」を選ぶ)

そう考えると、買っても後悔、買わなくても後悔。
これは一体どういうことなんだい?という状況が私の身に起こっている。

ここまできたら、私は後悔がしたかったのだとしか言いようがない。