時にひきこもる思考

考察とnikki 一言で言えば、ただのエッセイ

金曜日の水泳

月に一度の楽しみ、水泳の時間です。
健康のためジムではなく月に一度、市民プールで泳ぐのだ。

金曜日の仕事帰り、電車に乗って室内温水の市民プールへ。

たいてい夕方は水泳を個人コーチに習いに来ている小学生がちらほらいるけど。この日は、ささやかな水泳教室が開かれていた。

さらには19時過ぎに家族連れが姿を現した。
小学生が5人くらい、そして幼児が1人。お父さんの逞しい腕に抱かれていた。

みんなのお母さんである逞しそうな女性は、入って早々ガチ泳ぎを見せる。

そして子ども達の泳ぎのコーチをし始めた。
子どもを見守る目が鬼のようだった。
いや、鬼でも見るような目で子どもが泳ぐのを見ていた。

しかし小学生と思われる子どももバタフライを披露するなど、やはり水泳に厳しい一家なのだろう。
いやあ、あんなに怖い目つきの女性を初めて見たわ。

 

そんな状態だったため、いつもは自由コースにて歩いたり泳いだりを気ままに繰り返す私は、その日は25メートルコースへとレーンを変えた。

いやはや、しかし案外いける。
もちろんスピードは出ないし、決してうまい泳ぎ方でもない。

もう平泳ぎなんだかカエル泳ぎなんだか分からない泳ぎでも、それでも25メートルは泳げるのだ。なかなか頑張った。

一応は、途中で立ち止まることが禁止されてる25メートルコース。

その日も4人くらいがコースにおり、ある程度の距離感を保って泳いでいた。
ただ救いは、ガチ泳ぎする若い男性がいなかったことだ。

彼らは、ひたすら泳ぎ続ける猛者なので、あそこに放り投げられたらサメを背後に泳ぐも同然。

この日は、家族含めて小学生ばかりが自由コースにいたため、普段はそんなに泳がない中高年が25メートルコースに移動してたから、そんなメンツの中だから私でもどうにか泳げたのだ。

 

しかし、ここまで若いか老いかのどっちかに偏るのも珍しい。

20時前になると、さすがにお子ちゃまは帰っていって、広いプールを数人だけで占領できる。

そしてこの日は、白髪のおじいちゃんが話しかけてきたので自由コースの隅でしばし談笑した。

「健康のためか、美容のためか?」って言われたら。
そりゃ、健康のために決まってんでしょうが。

ええ、楽しみもあるけれど、一応は健康のために行っております。

水泳って身体を左右バランスよく動かせるから、身体のリセットにもってこいなのだ。
ある意味、私にとっては定期的に通う整体やマッサージみたいなもんですね。

そのじいちゃんは、70近くで、最近水泳を始めたらしい。

「でも、まだまだ15メートルまでしか泳げない。息継ぎがよく分からなくなる」と可愛く笑う。

爺さんだろうと同い年くらいの女であろうと、自分にとって「話しやすい人」と「そうでない人」ってのはいるもんですな。
今回のじいちゃんは、随分と気さくで私も楽しく会話ができた。

「あそこにいるのが家内です。」
と指を指した先にいたのは、これまた70近そうなばあちゃん。

いいですねぇ、夫婦で趣味として水泳をするなんて。

そう思っていたら、
「あれが息子です。」

あ、どうも。
そこには男性が。

息子というくらいなら40~50代なんだろうけど、肌が白くてスベスベしててシワもない。推定40歳以下に見えるぞ。
(私の方が、黒くて肌もボロボロだ)

まさかのファミリーだったのか。
少し病気を患ってる息子さんのリハビリも兼ねてるんだとさ。

気付けば自由コースには、そのファミリーと他人の私しかいなかった。

そして最後は家族そろって暖かいジャグジー的な場所へと入っていった。仲がよろしいこと。

 

トータルで1時間半くらいいたかしら。帰る頃には20時半。

うち半分は頑張って泳いでたけど、辺りは真っ暗なのに私の身体の元気なこと。身も心も軽い軽い。運動って、いいですねぇ。

じいちゃんも、
「好きじゃないと、来られないよ」と言っていたけど、
別に泳ぐことが好きって訳ではない。

ここしばらく、いろんな筋肉痛やふくらはぎの痛みが続いていたから、それをリセットしてだな。
早く、気持ちよく外を走れるようにするために泳ぎに来ただけだよ。

でも確かに金曜の夜、1週間分の疲労が無いとは言えない中でわざわざ疲れにきてるなんて、変な話である。

でもね、疲れは水に溶けるんだよ。
疲れは疲れで塗り替えてやればいい。運動に楽しさは必須。