時にひきこもる思考

考察とnikki 一言で言えば、ただのエッセイ

仕事を続ける責任・辞める責任

実は今回、アルバイトをちょっとだけ体験したものの、入社1週間で辞めることになった馬鹿者の話をしようと思います。

仕事内容に興味があったし、好きなものを取り扱っている仕事だったので、私は張り切りました。

決して向いてないということはなく、頑張って慣れればできるだろうと。
お店で働きたいと思ったのも、今の自分に不満というか平凡さを感じていて、「違う自分になりたい」という憧れみたいなものもありました。方向転換できる、ギリギリの年齢だと。

向こうも、そういう何かを感じ取ってくれたからこそ、採用してくれたんだと思う。

でも結果、確かに向いてはいると思う。
勉強して極めていけば、いい結果になる自信もある。

しかし、やはり根本的に向かないものがあったことを告白します。

 

知識を付けることは簡単。人を思う気持ちもある。

ただ、お店での販売となったとき、短時間でお客さんと距離を縮めて、いろいろ模索して、さらにはある程度は売り上げにつながるような誘導も行う(強制はしないが、提案はする)というコミュニケーションのやり方に、合わないと思ったこと。

それが得意な人はいる。

むしろ販売接客業は、そういう方が多いかと。

しかし私は自分のペースを乱されるのを苦痛に感じる。
人とのやりとり自体は好きでも、あくまで時間をかけてゆっくり深めていく方に特化している。
それでいて、近くに来られすぎると反射的に手を払ってしまう。

色々な方が来られる店舗において、私の個性は不利、生かされないと感じたのが全てでした。

おまけに、繁盛時に待たせているのが本当に苦しい。

気になってしまって、目の前のお客さんに集中できず、100%のパフォーマンスができないかもしれない懸念もある。

ここまでは、想像できていなかった。

 

仕事内容は把握できても、実際の仕事の進め方というのは、そこに入って観察してみないと分からない。

悔しい限りでした。
大変親切に教えて下さる店長さんなので、一緒に仕事をしたいし貢献もしたいけど。

自分の特性が生かせないような仕事は、いつか無理が来るだろうと察したので辞退申し入れました。

ここまで冷静に書いているけど、実際はもっと混乱の上にあったことです。

「向いてないかもしれない」と思ったとき、やっぱりどこかで「もうやりたくない」という気持ちが湧いてました。

でも、自分から「辞めたい」と申し出るのに抵抗があって。
相談しに行ったとき、(クビだといっそのこと言ってほしい)と心の中で期待していた。
でも店長は「自分からは、続けてとも辞めてとも言えない。決めるのは自分」と言葉を返した。

その日の帰り、それが当然のことだと悟りました。
私は単に、自分が言えないことを、人の口から言わそうとしてたんでした。
なんと卑怯なんだと。

しかも、これまでの人生の何度も、このようなことを思った。
それはつまり、私はずっと卑怯な人間だったということです。

なんでこうなのかってーと、自分が言うことで、責任というものを負うのが怖かったからです。

自分から言えば、我儘だと思われるし人の期待も裏切ることになる、断ち切った自分をずっと背負っていかなくてはいけない。私は最低の奴だと思われることが、嫌だった。

しかし向こうから言われたことであれば、それを受け入れるだけ、あるいは反発するだけでいい。気楽。

痛みを負わずに済むってことを、卑怯な私は無意識の内に悟っており、その痛みを相手に背負わせようとしてたんだよー、卑怯でしょ?

それに気付いてさ、自分という正体を見てしまった気がしたね。
本当にクズな卑怯者。最低という言葉がよく似合う。

そして改めて、仕事をやり続けることにも責任はついて回るし、辞めるということにも責任があることを知った。

続ける責任
:仕事を必死に覚えて、そこでお店と顧客のために働く責任・覚悟
辞める責任
:今よりも自分に合った新しい仕事を見つけて、そこで必死に働く責任・覚悟

どっちを選んでも、結局「責任」からは逃れられない。

嫌なら辞めればいいとずっと考えてきたけど、辞めたら辞めたで責任がついてくる。
辞めることは、決して楽な方に進むことではなかったと、30過ぎてから知ることになりました。

 

いやぁ、私はよく(セラピー系の)方から「責任を取りたくない人」だと言われてきたんすよ。
それは親の敷いたレールに乗っかって生きてきた部分から、そう言われたんだろう。

でも自分ではピンと来てなくてですね、「何言ってんだ?この人」って内心思ってたけど、間違いなく責任負いたくない人間でしたね。

だから、学生時代は真面目に優等生で生きてこられたのに、いざ社会人になってからは、仕事がなかなか続かないクズに成り下がっていたのでした。

これは仕事に向いてない、根性がない云々よりは、責任を取りたくないからレールに乗っかって、そこに「覚悟」がないから続けられなかった、覚悟がないから辞めてもすぐに仕事が見つけられなかっただけなのでした。

つまり、私とはそういう人間なのです。

今後は、自分の特性を正直に認め、それを発揮できる仕事をします・・・

それはつまり、なりたい自分になることを諦めたということです。

 

最後にこれ。

折れたフォーク

まっぷたつ

辞意を伝えたその日の晩。

オムレツを食べようとフォークで切り分けようとした瞬間、そのフォークが壊れました。

内部に水が溜まってたから、もともと小さなヒビが入ってて、たまたまその日に力を加えたことでバキリといってしまったらしい。折れたのはプラスチックだけの部分です。

そんなこともあるんですね。