時にひきこもる思考

考察とnikki 一言で言えば、ただのエッセイ

鳥取記(鳥取砂丘見物②)

前回のお話
鳥取記(鳥取砂丘見物①)

砂丘は、ここっていう入場口がなくて、「砂丘入口」と書かれた看板が2つ3つ散っている。基本、どこから踏み入れてもいいようだ。

それでもまあ、全体マップから近い階段から上がってみることにした。

鳥取砂丘の碑

まあ、ここが入り口っぽいよね

階段を上がると、目の前に広がるベージュな光景。
これぞまさに、砂丘
私、とうとう砂丘に一人で来ちゃったよ。

ちょっとした感激の中、砂丘一帯を眺める。
まるで大きな砂場だ・・・

青と砂

コントラストが美しい・・・

平日のため人は少ない。なんなら、こっちに引き返している人の方が多かった。
私が到着したのは13時過ぎだったので、昼前に来ている人たちはもう帰るとこなのだろう。

いやはや、しかしだ。

どこへ行ったらいいんだろう・・・

辺り一面の砂。
どこへ行こうが変わらない。一応、小高くなっている通称「馬の背」が多くの人たちの目的地なのだろうが、それだってどこからまっすぐに登ったっていい。

なんというか、オープンワールドのゲームに放り投げられた気分だ。
見えている範囲、どこだって行けるし、どの道のりで行ってもいい。

とりあえず私は靴を脱いだ。こういうところでは素足にならないと。ああ、砂があったかい。
この感触が心地よい。一人なのに興奮していた。

素足で臨む砂丘

模様の上に降り立つ

砂浜とか学校の運動場よりは粒が大きいのね。
もっと運動場の砂みたいなのを想像してたよ。案外、重みのある粒です。

鳥取砂丘の砂

重くて存在感のある、爽やかな砂

踏み固められてないのか、足が沈みます。これは病みつきになるな。
両手に靴を持って、さあ出発!

私は、「馬の背」へと一直線に向かっている家族連れを横目に、入り口入って右側、海が見えているところへと向かった。

・・・ええ、そうです。
みんなが登山している小高い「馬の背」を見て早々に諦めた私は、迂回ルートへの道を模索したのです。

だって、あんな急斜面を無理に登らなくても、なだらかになってるサイドから回り込めば、同じところに行けるもの。
ちょっと回り道だけど海も近いし、こっちの方が楽じゃん。

目の前の壁は登らない、時間かかっても回り道してでも楽な方を行く。
まさに人生と同じだ。私は、あえて壁を登っていくことなんてしない。

でも、結果的にそっちの方がよかった。
あんまり人もそっちには行ってないのか、足跡もほとんどなくて、すごくきれいな砂面を歩ける。

山を登った人が御褒美で見ることのできる海は、早々に見えている。
風がちょっと強いが、海のブルーが綺麗。

日本海と砂丘

砂浜なのか、砂丘なのか

砂が果てしなく柔らかい。踏み出すたびに足が埋まる。それが楽しい。あー楽しい。裸足最高。

一人なのに子どものごとくはしゃぎながら、迂回ルートで馬の背まで進む。

まさに横断ではなく、尾の方から登る。
でも到達するとこは一緒なんだから、どこから行ったって同じだ。

砂丘と日本海

迂回コースから見た光景

何の達成感もなく、たどり着いた頂上で座り込んで、しばし写真撮影。
多くの人がここで引き返している中、私はもっと先に行ってみようと思い、歩を進めた。

足跡もほぼないような場所へとどんどん進んでいく。

一面の砂

一面の砂

そこまでくると、本当にだれもいない。

さらに進んでいくと、昼間なのに孤独を感じられる。

足跡

ふり返ると、私の足跡しかない

ここらへんで、砂丘と言えば絵本の「こんとあき」だな、なーんて思い出した。
ぬいぐるみのこんを、犬が咥えて砂に埋めたのだ。
そういえば、散歩中の犬も見かけた。犬もOKです。

結局、この付近まで来て引き返すことに。

もちろん、引き返すときも迂回ルートを。
上から下まで一気に降りるなんてことはせず、丘を斜めに進む。

この時、足首どころかふくらはぎまで砂に埋まる。こりゃ靴なんて履いてたら、中にまで入ってくるわ。。
裸足は裸足で、足の指の間とか付け根が痛みます。
まさに、指をも使って地面を掴んで歩いてるみたい。
これぞ自然なアーシング鳥取に住んで、週末の度にここに来たいくらい。

結局2時間以上、砂と戯れる素敵な時間を過ごした。

入り口付近では、テレビの取材人がインタビューしてたよ。

砂丘の取材クルー

取材クルーたち。これは、撮影断られて帰ってくるの図

こんな時期に、一体なんの特集でしょう?ヒマそうにしてた私には、彼らは声をかけてこなかった。なんでや。

土産物店などをしばらくうろついた後、バスに乗って駅まで向かうのでした。

砂丘とナイキ

靴は脱いでたからセーフ

それにしても、鳥取砂丘は本当に楽しかった。

人があまりいなかったのもある。
これで人があふれてたら、ただの潮干狩り会場だ。
平日に来れて、ああ、職無しでよかった・・・!

いやぁ、鳥取は素敵なところだね。

駅前も都会ほど栄えてなくて、親近感が湧いてくる。
これぞまさに、住みやすい街だよ。ちょっと小馬鹿にしてたよ、ごめんね鳥取
いいなぁ鳥取。移住したい。

それにしても、あんなところまで行ったけど、実はまだまだ体力的には十分行けた。

小高い馬の背も、遠いと思っても意外と簡単に行ける距離だったし、帰りなんてあっという間。
30代、まだまだ体力的にはエネルギーに満ちているなと、自分の若さをかみしめながら
特急いなばに乗り込むのであった。

帰りは7時を過ぎていたため、乗客の多くはスーツ姿にスーツケース持参だったので、
おそらく出張だろう。
で、上郡駅からは当然、進行方向が変わるので行きと同様、座席チェンジが必要。

しかし今回は、リーマンが多かったからなのか、合理的にちゃんと駅に着いてからぞろぞろと立ち上がりを見せる。一体感があった。

それで一斉に座席を回転。途中、真っ赤な服着たおばあちゃんが戸惑ってたし、座席同士がぶつかったりもしたけど、いい具合でチェンジ成功。

帰宅は深夜になったけど、本当に楽しい旅でした。

 

~補足~
実はね、前日にミネラルウォーターを買いに行ったんです。熱中症には気を付けなきゃって。まだ4月だけど。
水にちょっとだけ塩を入れたものを用意しようとして塩を入れすぎて。
まあマズイこと。

えーん、せっかくのミネラルウォーターを不味くしてしまったよ・・・アホか。
再び財布だけ持って買いに行く馬鹿な30代に、これからもお付き合いよろしくお願いします。

砂丘に影

またね

~END~