時にひきこもる思考

考察とnikki 一言で言えば、ただのエッセイ

すでに崩れているホルモンバランス(医者も知らないホルモン・バランス)

日本の先進国としての教育は、本当にこれでいいのか。

私は20歳になるまで、生理痛がなぜ引き起こされるのか知らなかった。
他の動物にも、月経があることを知らなかった。
25歳を超えるまで、歯は削れば治ると信じていた。

*一応、高等教育まで受けてます

そして月経がどういうメカニズムで起こることなのかも、1年前までよく知らなかった。

黄体ホルモン?基礎体温?どういう関係があるの?

由々しき事態である。
出産適齢期を超えている女がこれである。

というわけで、勉強することにした。

 

読んでみたのはこの本。

「医者も知らないホルモン・バランス」。

実は1年前にも読んだけど、多分読んだのはこの続編の方だったかと。

それを読んだ時も、知らない知識に目が生き生きしたと同時に、カタカナだらけの専門用語に目が狼狽えた。

そして1年経った今、こっちも改めて読んで、まとめてみよう。
さあて、一緒に勉強しましょうか。

 

さてこの本の。

先に読んだのは続編の方で、どちらも内容そのものは同じだが、メインとしているものが多少異なっております。

婦人病や月経前症候群など、生理に関係するものは先に読んだ続編、「続・医者も知らないホルモン・バランス」の方が詳しいし、何より読みやすい気がするので、そっちの方をお勧め。

両方読んだ段階で、月経の仕組みをまとめよう。

まず卵巣にいる卵子が脳からの合図で成長し、卵胞ができます。

それが大きくなるとエストロゲンを作り出します。
それが成長を促し、沢山ある卵胞の内、1つの卵子だけが排卵すると黄体となった卵胞がプロゲステロンを作る。

そのため、この時期はプロゲステロンが優勢になる。

我々の目で見て分かる月経・生理というものは、排卵後14日ほどで、これまで優勢だったプロゲステロンのレベルが下がることが引き金となって出血する、という現象。

ちなみにプロゲステロンが増えると温度が上昇するので、この時期を「高温期」というのだそうな。

 

へー。
ちなみに出てきたエストロゲン
これは細胞を成長させるホルモンなので、過剰に作られるとガンを引き起こすことになる。

しかも、このエストロゲンは食生活や薬、食べ過ぎなんかで簡単に過剰に作られてしまい、このエストロゲンに晒されまくっている子宮は、本来ならガンになりやすいそう。

しかしそうならないのは、プロゲステロンエストロゲンが、うまくバランスを保っていたからなのですね。

だからこそ、排卵が起こりにくくなる閉経前の女性はプロゲステロンが作られなくなり(排卵しないと作られないため)、生理があっても作られるのはエストロゲンばかり。

こうなるとバランスが崩れてくるため、その頃の女性はガンが最も多くなるのだそうだ。

ついでに、妊娠中はプロゲステロンがたくさんある状態なので、妊娠をしていない人の癌リスクが大きいのは、このためである。

要は、成長させる(それが一般細胞であれガン細胞であれ)のがエストロゲン、それを止めるのがプロゲステロンということだ。

 

PMS

若い年代にも多いPMSについてもまとめよう。

この原因の1つはエストロゲンの優勢。

知っての通り、PMSは出血が始まる前に起こるもの。
しかし、本来この時期はプロゲステロンの方が多いはずなのだ。排卵してればね。

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ワードで作成した図

でもそれなら、本来ならプロゲステロンが多い時期にPMSエストロゲン過多で起きる症状ばかり)が起こるのは、どういうことだろう?

それはつまり、ホルモンバランスがもうすでに崩れているよ、ってことかしら。

本来この時期に作られるプロゲステロンよりも、エストロゲンの方が多いってことになるのだから。

ちなみに、確かに私自身、生理前の胸の張りには悩まされているが、よくよく考えれば、それは20代後半からの症状で。

30代半ばからすでに、排卵が減っていくとあったので、もしかしたらプロゲステロンがあまり作られていない、もしくはエストロゲンの方が多くなっていることが原因かもしれないと、冷静に考えている。

正しいかは分からないけれどね。
でも、昔にはなかった症状が年々増えてくると、それが原因なのもまあ頷ける。

そういや最近は、腰に痛みも感じる。
そんな症状、10代20代にはなかったはずなのに。。

 

更年期障害

更年期は先進国に見られる症状だそうで、これまたエストロゲン優勢が原因と考えられるらしい。

その証拠に、途上国ではそういった症状は見られない。
先進国特有の加工食品の摂取や運動不足、環境ホルモンが、更年期へと誘うのだ。

これらはざっくり言うと、いずれもエストロゲンを増やす要因になっている。

ここらへんも続編に詳しく書かれているし、私では説明ができないので、ぜひ一読を。

 

ここまで書くと、エストロゲンは悪さしかしない印象だけど本来はそうではなくて、大事なのはバランスなのだ。

どっちかが過剰でもいけなくて、いい塩梅で保っているからこそ、人間の身体はうまく機能する。

しかし科学の発展、工業の発展などにより、人間の身体が自然から離れ始めると、うまく保たれ命をつないできたバランスが崩れ、現代人は苦労を背負っている。

自然から離れれば離れるほど、これまで普通にできていたことが、できなくなってくる。
これはもう、先進国の運命かもしれないですね。

 

とりあえず、この本を通して書かれていることは、大切なのは健康な食生活、適度な運動、ストレスを溜めないことという、ごく当たり前の癖に何気に難しいことだ。

そして何か違和感を感じたら「気のせいだ、気にし過ぎだ」と無視して抑え込むのではなく、気付いて観察すること。

生き物の身体は、あらゆる機能やホルモンが絶妙に繊細なバランスをもって保たれているので、ちょっとしたことで身体はバランスを崩し、果てには体調を崩してしまう。

結局さ、普通の生活を普通にしてたら問題ないけど、今の社会では意識しておかないと、人間本来の普通の生活は難しいってことね。

ちなみに。

1年前に読んだ続編を通して一番印象に残っているのが、「人工ものだと特許で儲かる」ことである。ええもちろん、製薬会社が。
(個人的に、製薬会社はこの世界を占める何大勢力の内の1つだと考えています)

 

『医者も知らないホルモン・バランス』
『続・医者も知らないホルモン・バランス』 ジョン・R・リー