時にひきこもる思考

考察とnikki 一言で言えば、ただのエッセイ

かに座が実感する、かに座の話

コテコテのかに座の話をしよう。

かに座だけど、カニってかわいくないなーとか、そういやまともなカニを今まで食ったことがないとか。あまりいい印象がない星座。

星占いの本を読んでみたから、何か書いてみよう。

 

生まれた星座は、その時太陽がどこにいるかで決まっている。

私が生まれたのは太陽がかに座の位置にいたから、かに座ということになる。

星座は、火・水・地・風の4つに分けられ、かに座は水に当たる。
水は、「感情の星」を意味し、まさに水面の如くちょっとした動きでそれが伝わっていく。そういう特色からなのか、非常に周りからの影響を受けやすい性質を持つ人が多いそうな。

水は生きるのに必要な要素であり、人を救うこともあれば、時に人を殺すこともある。ちょっとしたことで感情は揺らぎ、時に感情がダムのごとく決壊することも。
一言で言えば、そんな性質である(というのが、その本を読んで感じた印象である)。

 

一言、言っていいか。めんどくさい星である。

激情、まさにそんな感じ。

普段は穏やかな海、無くてはならない水が、ある日突然、大勢の命を飲み込んでいく。救いもするし、殺しもする。そんな表裏一体。

物理的な水は外部からの情報を記憶する性質を持つように、水というものは、外部からの影響を受け、それを自身に閉じ込めておくことができる。
そんな性質があるせいか、この水の要素を持つ人々も、周りを察知しそれを理解できる共感性が高い人が多いとか。

共感性、まさに水の役割そのものだと思う。

そんなかに座。かに座は特に、硬い甲羅を持つためか、ガードが少々固いのが問題点だ。

本当、ガードが固い。警戒心の強さは人一倍だと思う。これは本人が自覚している。

私もそうだが、同じかに座の友人もなかなか心を開いてくれないタイプで、仲良くなるのに5年はかかった。気の長い話である。

 

そこから分かったことだが、かに座同士のコミュニケーションでは、まず、どっちかが先に心を開くことが重要だ。

どちらも心に壁があると、かに座同士だとそれを互いに感じやすい。だからこそ、先に心を開いて弱みを見せることで、相手のかに座も心を開いてくれるような気がする。
影響を受けやすい、共感とはまさにそういうことだろう。

そのかに座の友人は大学の時に知り合ったのだが、在学中、別の子を交えて旅行にまで行ったのに、在学中は互いにその心の領域にまで踏み込めなかった。結果、当たり障りのない話くらいしかできなかった。

性格も読み取れず、いつまでたっても他人っぽさが抜けなかった。多分、2人だけだったら、旅行どころか遊びに行くことすらなかっただろう。

 

卒業後は離れ、向こうは仕事に明け暮れ、こちらは途中で引きこもり。
と大きな差が付いたものだが、ある時久々に2人で会って、会わなかった間にあった出来事として、家で大暴れして号泣したというエピソードを話したら、向こうも最近あった号泣エピソードを話してくれた。

私は、家族のちょっとしたことにイラっときて、その場はどうにか心を抑えたけど、しばらくしても完全に抑えられなかった部分がメラメラと湧いてきて、まるで火事ごとく燃え盛り大暴れした後の号泣という、そんなエピソードだった。

友人は、親からの何気ない一言で、これまで抑えていたものがワッとあふれだし、堰を切ったかのように大泣きしたというもの。その場にいなかった家族が、びっくりして飛んできたらしい。
なんでも、それまで一人悩んでいて、たまたま親から言われた些細な言葉に「この家に自分が必要とされていないのでは?」と感じてしまっての号泣だったそうだ。

そんな話をしたとき、初めて心に入れた気がして私は嬉しかった。

そして、その話を聞きながら私も泣いてしまった。その友人の思いが、自分にも心当たりがあるというか、なんか「分かる」からだ。

この「分かる」っていうのが、まさに共感。

 

向こうがそんな話をしてくれたら、こちらとしても同じような話をしてしまいたくなる。話すことで、自分もそういうことあるよ!という共感を示す。

向こうが示してくれた態度に、応えたくなる。

これが、かに座のもつ共感性なのだ。

 

他人から見れば、かに座は一見、親切そうに見えるだろう。

可もなく不可もなくな対応を取ってくれるし、いい人そうな印象を受ける人が多いと思う。彼女もそんなタイプだ。私も一見、そう見えるだろう。

でも、そんな人の裏というか中には、時に激情が身を潜めていることも事実。

それまで普通に見えていた人が、ある日突然喚き出したり、泣き出したりするのだ。その友人も私も、きっと号泣する直前まで、まったくそんな素振りはなかったはずなのだ。

それなのに、ちょっと何かをつついただけで(つついた人は、つついたつもりはなくても)、いきなり号泣したり怒り狂ったりするのだから、他人から見たら、一体何があったの?と困惑するだろう。

 

それはきっと、これまで水瓶に貯めていた水が、もうこれ以上貯められないとあふれ出た瞬間なのだ。で、その水が一度溢れたらしばらくはまた貯められるから、元の穏やかそうな人に戻る。
波があると言われる所以だろう。

見ず知らずの他人にはそういうとこは見せず、代わりに家族だとか、親しい間柄の人に対して、そういった感情を向けやすいのも特徴。

ガードが固く警戒心が強いため、自分の感情の水瓶をあふれさせる対象を選んでいるとも言える。

見ず知らずの他人、そこそこの間柄の人に対して、自らの感情を爆発させられるほど、
かに座の心はオープンではないのだ。
まさに他人行儀。
逆に言えば、心を開く、安心できるからこそ感情を見せられる。お墨付き、というやつだ。

その愛情を注ぐのは、選ばれた対象にのみ。選ばれた対象だからこそ、安心してマイナスの感情すらも出せるのだ。

向けられる愛情は、いつもポジティブなものばかりとは限らない。愛ってそういうもんじゃない?
そこらへんを、かに座とお知り合いの方は覚えておいてほしい。

次回に続く→

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