勤めている会社ビルの隣の建物が建設中なんですよ。
骨組みがちょっとずつでき始めてて。
とある日、その骨組みをまさに建設中の所を目撃したわけです。
鉄骨を積み上げて、補強のバツ印のようなものをクレーンで釣り上げ、そこで待機していた2人の男たちが素手で受け止めていた。
そしてそれを手で固定し始めたのです。
建物で言うと、7階とか8階の高さ。
それを、命綱はしてるけど、でもその命綱なんてフックで骨組みの上にゴムのように渡してあるロープに、ちょいと引っかけてるだけ。
向こう側に行きたいとなったら、そのフックをちょいと外して、向こう側のロープにホレと引っかけ直す。
命綱なんて、あってないようなもの。
だって、絶対に一人の人間の体重を支えられるようなものではないし、支えきれたとしても、じゃあ、そこからどうすんのよって話。
地上から7階は離れてる場所で、どういう救助ができるというのか。
足場だって靴の幅プラスってところ。
慣れない人ならば足が確実にすくんでしまう場所を、ホイホイと、まるで地上にいるかのように動いて作業を始める。
外枠の鉄骨の骨組みには、梯子のような出っ張りが付いていて、普通にそこから乗り降りし、そこにしがみついた状態でも作業をしている。
あまりにも普通のことをしてるみたいに見えたその作業員の方の姿を、反対側の建物から見て感動しました。
これからできてくる建物も、これまでできていた全ての建物も、全て人が人力で作ってきたもんなんですよ。
高い場所での危険な作業、暑い中・寒い中での苦しい作業。
そうした人々の力によって、人々の生活する場所が出来上がっているのです。
当たり前のことなんだけど、改めてそれを見ることで、すごくね、心がときめきました。
そういうことを、ここしばらくずっと思ってたから。
工事現場での事故は、悲しいもんです。
橋とかでも、記念碑の所で犠牲者の名前が刻まれているのは、グッとくるものがあります。
身近に感じていたからこそ、最近起きた現場での事故は余計に心が痛んだ。