時にひきこもる思考

考察とnikki 一言で言えば、ただのエッセイ

鳴門記(大塚国際美術館をめぐる②)

こちらの続き

鳴門記(大塚国際美術館をめぐる①)

この美術館は地下3階、地上2階で構成されており、入り口は長いエスカレーターから始まります。
ですが、実はこのエスカレーターを上がった先が地下3階なのです。

つまりは入り口は最下階である地下から始まって、どんどん上に登っていくシステム。
ということは、地下1~3階は山に埋まってるってことです!

 

さて、展示の方ですが。

私はまったく美術品に興味がないので、作品については何も言えません。
いくつもある作品を見て、どう感じるかは人それぞれ。
実際に目で見て感じてみてください。

簡単に流れを紹介しますと、まず最初に見るのが、おそらく有名なここ。
システィーナ礼拝堂

システィーナ・ホールの天井

の天井。

そして古代・中世から始まります。
バロックルネサンスを通り。

ここが有名なモナリザの階。

モナリザ

モナリザの前に誰もいない。偽物故に・・・?

牛乳を注ぐ女

解説で、このミルクの表現をベタ褒めしてた

徐々に近代へと続きます。
ここはゴッホの「ヒマワリ」があります。ゴッホのために作られた「7つのヒマワリ」コーナー。
一番多くの人が写真を撮ってました。

7つのヒマワリ

なぜ同じヒマワリばかり・・・と思ったが、私も同じ作品ばかりを作る癖があるので、人のこと言えない

ムンクもこのあたりだったはず。

そして、とうとう現代までやってきます。
が。

正直ですね、この地上階に来てから、なんか雰囲気がガラッと変わります。
「は、はぁ・・・」と言いたくなるような。

現代アートってやつでしょうか。

現代アート

多分、古代の画家はついていけてない

よく分からないものを、分からない視点で描かれている絵ばかり。
読み手を意識、ではなく、自分の感情や思いを優先してキャンバスにぶちまけました!って感じで。

照明も含めて明るく、あっけらかんとしている。ある意味堂々としてますね。

そこではシャガールとか、ピカソゲルニカがあったりします。

ゲルニカ

かなり大きいみたい。描ける場所があるってことね

現代らしい絵

繊細な色使いの絵

正直な感想。

私は、もうずっと唸りながら歩いてました。
「うーん・・・」「ウーム・・・」

心で思っていたつもりですが、もしかしたら声が漏れていたかもしれません。
それくらい、よく分からなかった。

ええ、やっぱり芸術品に興味のない人間には、よく分からない、入場料につり合わない美術館という感じです。

それでも若いギャルたち、そして大学生カップルの姿も見かけ、結構楽しそうにしていたので、多少なりとも興味関心のある方には、それなりに楽しめる場所でしょう。

大学生カップルなんかは、「おもしろかった。来てよかった」とまで言っている。
私には、理解できませんが。

それでも、自分なりに楽しみ方は見つけます。
どんな場所・事であっても、自分なりに楽しもうとする臨み方が大事なのです。
それが不要なのは、遊園地だけです。

今回、最も私が気に入った作品でも。

犬を抱き壺を下げる少女

素敵な絵だった・・・

なんでこの絵かって?

少女がかわいいからです。
もう、それだけ。

犬の絵画

素敵なワンちゃんもいた

3時間ほど見て回ったけど、これは一気に何も考えないでただただ見て回るより、好きな作品をじっくり見て楽しむ方が向いてるかもしれない。

こんなに近くでゆっくりと細部を観察しながら鑑賞できるのは、結構ポイント高いんじゃないかと。

美術館って、なんとなく私語厳禁なイメージだし、ここでは若い女子たちが作品に興奮してカメラをパシャリ。

中年の夫婦が皮肉を言いながら、若いお母さんが子どもに「かわいいねぇ」「みんな(被写体)寝てばっかりやね」とか感想を言いながら見て回れるのだ。

あらゆる角度からの撮影も可能。

こんなことができるのは、この美術館ならではだと思うんだ。

私は一人で回ったけど、こうやって感想を言い合いながら楽しむのもいいかもしれない。
どうせじっくり見ても、大した何かが伝わってくるわけでもないんだし。

むしろ和気あいあいと楽しみ合うのが、正解なのではないかと。

まあそれにしても、若い高校生くらいの子が「よかった」という感想をもらすほどの
魅力は、あんまり感じられなかったけど。


そんな感じで展示を見て回って、あとはバスの時間まで館内をうろうろ。

30分前にバス停に向かったものの、まだまだ早すぎる。

ここに来るバスの中で海が見えていたので、そっちまで行ってみようと思って、ちょっとだけ坂を下っていきました。

美術館の海

下ると海であった

すると、ちょっとした高台というか、なにやらどこかへつながっていそうな階段を見つけたので、暇つぶしに登る。
あれ、まだ続く。え、どこまで?

不審に思いながらも、それでも歩みは止めない。

しばし舗装された山道を登っていくと、どうやら美術館の裏口みたいなところに出ました。
その付近では、案内図が。

すると後ろの方で、白い服を着た40くらいのおばさんがやってきて、同じように案内図を見つめます。

ふと「現在地はどこでしょうね?」と話しかけていた私。

相手が答える間もなく、一番隅の方に「現在地」と書かれているではありませんか。

実は今いる場所は、これから先にある公園の入り口でもなんでもない場所で、そこからさらに何十分もかけないといけないことが判明。

それに気付いて二人して笑い合いました。

そこで何となく「バス待ちですか?」「あ、私もです」と、全く考えが同じだったことが分かり、結局二人して、来た道を下ります。

その方は関東からお越しの観光客らしく、海外にもよく行っている大型の旅行者。

なんとなくこの美術館の感想を聞いてみたところ、
「この絵の本物を昔見たことあるなぁ、懐かしい、また行きたいと思った」と。

なるほど、そういう楽しみ方もあるのか。
その方曰く、「でもこの値段で各国の作品が一堂に見られるならいいと思う」ですって。

確かに。

身体一つ、この時間であんなに多くの作品を見られるなら、それはそれで価値がもう十分である。
これを全てモノホンで見ようとしたら、そりゃ10年以上かかるわ。

私は、この美術館は好きな作品をじっくり眺めるのに向いている美術館だと思ったけど、そうやってあえてお腹いっぱいになるのも一つの見方。

思い出を思い出すような楽しみ方もまた。

やっぱり世界を飛び回ってる人はパワフルだなぁ。ノリがいいというか、好かれるタイプだなぁ。。声からして違う。

実は初めて「仕事を辞めて、近場を見て回ってる」と告白。

すると「いいじゃん、いいじゃん!」と背を押してくれたのが、嬉しかったのでした。

3300円の入場券

~END~