10月の終わりに、同じ部署で働かれてた女性が出産休暇に入られた。
最後の日、記念品の贈呈会がささやかに行われ、最後に部署全員で記念撮影が行われた。
といっても7人なんだけど。
スマートフォンのカメラで撮られたそれが、後に全員のメールアドレス宛に送られてきた。
隣の席の方が「見ました?私は二度と見ないわ(笑)」と言われていたので、私も恐る恐る閲覧してみた。
真ん中に主役の妊婦さんがちょこんとおり、その右に課長(細長い)、左には主査(もっと細長い)が挟んでいる。
なんだろう。
7人が映っているんだけど、全員が直立不動で、それぞれがほぼほぼ均等に間を開けられている。
まるで測ったかのようだ。
ある意味これが、日本人のパーソナルスペースというやつか。
もう見ないと言っていた方は一番左に立っておられたが、別におかしくはなかった。
私はその方の隣に映っていた。
こういう集合写真を撮ると、どうしても自分の小ささが目立つから嫌である。
特に隣が175くらいの細長い男性だもんだから、なお目立つ。
「頭1個分の差ですよ」と言いながら、隣の方と笑い合う。
そしてふと、何か違和感に気が付いた。
私たちの反対側には、東京マラソンをかろやかに駆け抜ける日焼けしたガリガリの男性が映ってるんだけど、この写真を見た限り、そこまで痩せていない。
むしろ、その隣の熊みたいな体型の男性とそんなに変わらないような。
(多分、体重100キロはありそう)
それを見て、「両側は、ちょっと大きく映るんだな」と勝手に納得した私。
そして真ん中は、ちょっと小さく、いえ正しく映るのかもしれない。
だって、あの熊体型の男性がちょっと細く映っているんだから、これは間違いないと思いません?
「だから○○さんも、ちょっと大きく映ってしまって損ですね」と、二度と見ないと言ってた方に同情しておいた。
「え、本当に?」
「絶対!だって、この方と運動されてる方が一緒の体型なんて、絶対におかしいですよ。実物を見よ」
「ホンマだわ・・・」
確かスマホカメラって、結構歪んで映るものだったはず。
特に横長で写した場合、どうしても両端が大きく膨張して映ってしまうのだ。
集合写真をスマホで撮る場合、両サイドだけは入ってはならないと今後の人生で覚えておこう。
(でも背が高く映るなら、行ってもいいかな)