年末にあった、「魔女見習いをさがして」という映画の放送をつい、見てしまった。
「おジャ魔女どれみ」20周年記念の映画かな。昨年公開されてた。
公開前から、これは当時どれみたちと知り合いだった女性3人が偶然出会って、という内容かと思っていたら、あくまでどれみ達魔女見習いはアニメ放送の中の世界。
つまりは、我々と同じ世界線の女性3人の物語なんだと、早々勘違いに気付きました。
そのため、内容はとても地味です。
まあ、我々の生活なんて地味なもんですから、まあ妥当というところなのか。
しょせん現実なんて、こんなもん。
それぞれが、まあそれなりに悩みを抱え、乗り越えるべき壁があるけどどーしましょーという状況の中で、偶然出会って、という流れ。
共通は、おジャ魔女オタク。
皆、心にいつまでも少女を持ち続けている方でしたね。
(でも、だからって魔法玉のおもちゃを持ち歩くか?)
最終的には、夢は叶えようという、前向きな内容でした。
魔法だって不思議で突拍子もない力ではなく、自分に元々持ち合わせている個性的な才能、ということで、「魔法(自分の才能)を使って、夢を叶える」というところに落ち着きました。
そうなのです。
絵が描けることも大胆な行動力も、他者を思いやることも人望も、全てその人に与えられた元々持ち合わせている魔法。
絵が描けない人からすれば、絵がスラスラ描ける人は魔法を使って描いているようなもんです。
魔法でもなければ、絵と無縁の人生を生きている人に美しい絵が描けないように、そんなあなたにだって、他の人からすれば奇跡的な魔法を普通に使っているのです。
この映画は、そういう皆に備わった当たり前の力は、他者からしてみれば異常な力ですよ、世の中は、みんながそうした異常な力をそれぞれの場所でそれぞれの形で使い合っているから成り立っているのですという、考えてみれば当たり前のことを教えてくれるのでした。
この映画自体、このアニメを見て育って大きくなって、今まさに社会生活を送ってい元女の子(男の子)に向けて描かれた作品。
公式では、当時のターゲット年齢の子たちが20年経った今、を意識したみたいです。
まさにちょうど20代。
内容は結構可愛らしい部分はあるけど、いかんせん内容が地味で。
30代の私には、ストーリーがちょっと幼すぎるようにも思えたけど、絶賛20代の子らには、どう映ったのでしょうか。
のめり込むような世界でもなく、映画館で見るよりは、何か作業をしながらゆっくり見る方がいいかもしれない。
とはいえ、ちょっと泣きましたけど。
結局、お父さんと和解できずに終わるのも、いい解決はしてないけど一人で納得して先に進もうとするのも、なんかリアル。
女にすがる屑なヒモ彼氏の末路も、旅先で知り合った男性と恋仲にならないのも、まあリアル。
そこに夢はない。現実って、こんなもん。
(ここで和解できたり、彼氏が改心したり恋が実ってしまったら、それこそアニメだ。そんなことなら、みんな苦労しない)
しかし、大企業を辞めた好きな女性を追いかけて、自らも大企業を退職して追いかけてくる若い男性だけは、リアルではない。
なんだあれ。一人だけ浮いてるように見えた。
こうやって考えれば、多くのメインキャラの担当にど真ん中世代の俳優や歌手を起用している中で、その後輩ビジネスマンだけが本職声優なのがなんか納得。
そこだけ我々のリアルではない。
なんというか、そこだけ夢(アニメ)があったなぁ。