時にひきこもる思考

考察とnikki 一言で言えば、ただのエッセイ

帰りの電車が運休した話

前回のお話
走行記(みやま公園を走る)

前回、ランニングをやろうと辺境地までやってきた私。

パンクな無人駅で帰りの電車をひっそりと待っていると、なんと乗り換えで乗る予定だった電車が運休しているではありませんか!

情報を見てみると、この先(結構先の方だったけど)で接触事故があったらしく現在運転を見合わせておりますとのこと。
なんですってぇ。

普段、電車に乗らない身、こういうことには遭遇したことがないため免疫などあるはずもなく。
いやあ、あるのですねぇ。事故って。

情報を知った時、実は結構冷静ではありました。
まあ、なんとかなるだろうと。

不安になる感情の動きをひとまず停止させ、頭が急速に動き始めます。
乗る予定だった路線を大幅に変更して大きく回り道して帰るか、とか。
いっそのことバスに切り替えて乗り継いで帰るか、とか。

あらゆることを頭でシミュレート。もちろん、金額と時間も。ネットって便利。

普段はのんびりした思考ですが、この時はスパコン並みに計算が早い。

幸い、車中に閉じ込められている訳ではないので、いくつもの対応策が打てます。
とはいえ、一瞬の判断が勝負ですが。

とりあえず何も分からないままだったので、乗り換え予定だった駅まで行ってみることにしました。

しかし、本当にここから先の電車がありません。反対方向は生きてるけど。

夕方を過ぎていたので、変更しても結構な時間がかかる。
かといって、復旧がいつになるかなんて分からない。なにせ、経験がないものですから判断のしようがない。

さて、どうしたものか・・・

 

駅では同じようにストップを食らった人たちが、スマホ片手に右往左往してます。
若い人が多かった印象。
スーツ姿の方もちらほら。高齢の親子の姿も。

事故の状況も、復旧の見通しも分からない。

欲しい情報は、「その日の内に復旧できるのか」「具体的には○時を超えるのか」などなど。

それさえある程度分かっていれば、こちらも計画を立てられるのですが・・・

何もない状況では、そもそも比べようがないため悩みます。動けない。
この時点では、誰に聞いても分からないでしょう。

迷った末、ある程度時間をかければ再開するだろう可能性にかけて、そこで留まっておくことに。

一旦ホームを降りて、あたりを見渡します。
誰かと一緒に待とうか。。

そう考えた私は、ターゲットを物色。
基本、1人でスマホを見ている奴を狙います。

ロックテイストな服装でキメた若者、運動部っぽい大学生男子もいる・・・
遠くない位置に若い女子がいるけど、イヤホンしてるからスルー。

と、そこに、トランクとお土産っぽい紙袋を持った若い女子が隣に!
ロックオン。

勇気を出して「○○行きの電車待ちですか?」と話しかけてみました。

「そうなんです」と言ってくれたので、話を広げます。
とにかく情報は共有した方がいい。
幸い、我々にはインターネットにつながる端末があるので、持てる情報を引っ張り出してきます。

その20代の女子は、結構情報に疎かったため、調べて情報提供。
「○○駅と△△駅の間で事故が~」
「○○時までの電車を見合わせってことは、これ以降なら、動くかも・・・」

構内では、時折アナウンスもされるので、聞き漏らすまいと耳を立てます。
こういう時も、アウトプットできる仲間が近くにいると、大変安心できます。

1時間くらいたった頃でしょうか。
「○○時から再開します」というアナウンスが!!
よかった。これで見通しが立てられる!

二人して、ひとまず安心しました。
(この間、ずっと喋ってた私)

まだまだ時間は先だけど、ホームで電車が来るのを待つことにしましょう。

この駅は、そんなに賑わってる駅ではないので人は多くはありませんでしたが、すでに並んでいる人がいたので待ちます。

すると、これまで先頭で並んでいた若い女子2人が、慌てて構内へ戻っていきます。
疑問に思いつつ先頭を陣取る私たち。

どうやら、反対車線に来た電車を勘違いしたらしく、慌てて走って行ったみたい。
我々は「あの電車はどっち行き?」「××駅ですね。私が乗ってきた方向です」と話をしつつだったので、冷静にいられました。

現在一番の不安は、どれくらいの人が乗っているのか、という1点のみ。

結構時間が経っている&通勤ラッシュの頃というのもあって不安は募ります。
乗れなかったらどうしよう・・・

 

待たされて2時間と少し経った頃でしょうか。ようやく電車がお見えに。

混雑してるけど、どうにか入れそう。助かった・・・!
ふと後ろを見やると結構人が並んでましたが、皆さん無理やり入り込んで、どうにかクリア。
いやぁ、大変でした。

線路の写真

運休を知る前に、のんきに撮った線路

普段通勤等で電車に乗らないため、こういう事態に遭遇することがなく、初めての経験になりました。

でも、案外冷静でいられるもんですね。
感情よりも思考がフルに働くのを実感しました。
(こういう非常時、ちゃんと思考が働いてくれることを知って私は安心しました)

しかし、それでも不安はあります。

再開されるのがいつ頃になるのか、それを判断する経験がないのですから。

幸いにも事故は夕方前だったので、日が落ち始めた時間に無事に帰れたけれど、もし終電間近の事故だったならば、一体どうなっていたことか。

正直、気軽にタクシーで帰れるような距離ではなかったので(でも最悪そうなった時のための仲間探しでもあったのですが、ええ、割り勘のため)、早い段階で復旧してくれて、本当にありがたい。

都会だと他の電車が近くにあるんでしょうけど、無いんですよ(笑)

 

後でニュースを見ると、幸いにも死者は出ておらず、乗客側にも被害はなかった模様。

しかし私が乗る電車の2本くらい前の電車だったので、そこに乗ってなくてよかった。
待たされたけど、そこは運がよかったですね。

見知らぬお嬢さんと話をしていたおかげで、果てしない時間を不安に過ごすことにならなかった我々。

こういう時は、とにかく情報を収集して共有し合えることが大事だと思わされました。

何より万が一の時の割り勘要員にもなりえるし、不安を紛らわせることもできる。
非常事態では協力することが大事ですね。勉強になりました。

しかし、まあ私はランニングのためだけに来ていたわけで。

恰好は、ほぼほぼジャージでした。

行きはUVパーカー羽織ってたけど、ランニング後は暑苦しくてずっと脱いでたし、しかも運悪くお手洗いで地面に落としてしまったので、それを着る気がしなかったのよね。

だから、運動部に所属している女子大生みたいな恰好だったのです。
キャップ被ってたし、ランニングシューズだし。

一体、どういう人間に思われたのか、それだけが気がかりです。

確実に年下だと確信して、めっちゃタメ語で話してたけど、一体何歳に思われたんだろうなぁ。

別に、普段からこういう恰好してるわけじゃないのよ・・・
たまたま、この日だけだったのよ・・・

 

無事に最寄り駅までたどり着いたけど、家に帰る前にもう一ヵ所、寄るべき所がありました。まだまだ1日は終わらない。


次回へ続く。

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