前回までのお話
実はこの日の前日、財布を無くしました。
さあ寝るかって時になって、明日の荷物を用意し出したわけです。
公園に行くつもりだったので、スポーティなバッグにしようと。
必要なものを入れようとしたとき、気付きました。
「財布がない」
その日使っていたバッグを見てもない。
ベッド付近に落ちてないか確認しても、ない。
もう慌てますよ。
そんなに現金が入ってるわけでも、カードが入ってるわけでもないけど、その財布は自作物だったのです。
簡単なお札とカードが入れられる、薄っぺらいやつ。
そんなもの売ってないからと、試行錯誤の末に生み出した財布。
厚みが一切ないから、お金をほぼ使わない時の外出時に、ポケットに潜ませたりできるのです。
そんな財布が、どこにもない!!もう同じものは作れないよー
気分が一気に落ち、泣きたくなりました。
走りに行くことすら、もうやりたくない。
大学時代、ウォークマンを失くしたから合宿に行かないと言っていた友人の気持ちが分かりました。
自分のものを喪失するのって、なんか身体から力が抜けていきます。
身近なものであれば、あるほど。
そりゃ、合宿に行く気も失せるよ。私だって、明日の予定をキャンセルして1日嘆こうかと思いましたもん。
(結局ウォークマンは見つかったらしく、すぐに「行く」と返事を出したそうですが)
落ち着かないまま、新しい例の枕に頭をのっけて(実はこの日が初めておろした日!)眠ろうとしたけれど。ああ無理。
落ち着かない。
それでもどうにか眠り、翌朝目を覚ますと、その割には身体はいい睡眠がとれたとばかり、ご機嫌。
気持ちもちょっとは冷静になってました。
(財布を無くした人にすら快眠を与えてくれる枕、その名も「ブレインスリープピロー」!)
一応出かける準備をして、昨日寄ったお店(ファストフード店)に電話してみました。
「お財布、落ちてなかったですか?」
「昨日の夕方ごろに・・・」
向こうもピンときたらしく「どの席だったでしょうか?」「何が入ってますか?」と詳細を確認するかのように聞いてくる。
まあ、即席の、一見財布に見えないお財布だったのと、お札以外は入っておらず、なかなか答えにくいものではありましたが。
(当然、免許証も何も。現金だけです)
どうにか確認で「この人のだろう」と分かっていただけたため、取りに来られる時間や名前、電話番号などを聞かれ、夕方に取りに伺うと約束してから電話を切りました。
気持ちが一気に華やぎました。
良かった、あったって!!やったー。
しかもお金を支払ったあと、テイクアウト待ちの席にそのまま置いて行ったってさ。
もう、馬鹿なんだから。
心の重りがようやく取れて、予定通り(時間は過ぎたけど)ランニングに向かうことにしました。
という事情があったのです。
しかしこの日の夕方に電車の事故によって、財布を迎えに行く予定時間が大幅に遅れてしまったけれど。
思うんです。
この日、財布が見つからなかったらランニングには出かけなかったことでしょう。
すると接触事故によってダイヤが大幅に影響を受けることもなかった。「行かなくて正解だった」と、ニュースで知って胸をなでおろしたことでしょう。
あの出来事は、「やめときなさい」という予感、お告げだったのか・・・
でも、この出来事のおかげで計画がずれたため、2本前の帰りの電車に乗ることが不可能になったので、車中に閉じ込められることはなかった。
分からないですけどね。
元々は、前々日、前日に行く予定だったけど、ゲリラ豪雨を恐れて結局この日にまで延期したわけだし。
正直、運休していると知ったとき、「3回も止められてたのに・・」と若干後悔しました。
でもまあ、おかげで初めての体験もできたことだし、これも経験となって、またいつか来るかもしれない不測の事態に備えるデータベースになることでしょう。
お仲間さんのおかげで、楽しく過ごせたし。
それにしても、帰宅してニュースを色々見ていると、列車との接触事故って多いんですね。
今まで、電車に乗らない生活をしていたため気にしたことがなかったし、対岸の火事だったから気にも留めなかったけど。
なんか、毎日どこかで事故ってない?
たまたまそういう時期なの?連鎖してんの?
そういうもんなのかしら。
そのたびに対応を余儀なくされる鉄道会社のスタッフも大変だ。
特に今は、夏休みで子どもも多いのに。
今回はなかったけど、もし子供さんが一人でいれば、話しかけてあげられる大人になろうと思った。
ちなみに。
乗ったのはJRだったから、ちゃんとみんな並んで待つのです。
しかし、そうでない電車の場合、列は成されないと思います。
だって、どこに並んでいたらいいか分からないもの。
日本人は駅で並ぶというけれど。
あれはですね、足元マークがあるから並ぶのです。
場合によっては、並ぶ方向まで書かれてある。
でも、そうでないところは人は並びませんよ。
日本人はマナーをわきまえているとかじゃなくて、そこにある指示に黙って従っているだけです。
先頭の人からいい席が狙える、そういう旨味をルールとして受け入れているだけです。