この夏は、とにかく映画をたくさん見て来た。
この夏だけで10本近く見た。
というわけで、「時には懺悔を」。
とある探偵家業の男が死に、その真相を、これまた探偵たちが探っていくというところから話は始まった。
主人公の探偵、そして助手の見習い女探偵。
彼らが中心になって真相に迫っていくんだけど、主人公の男は、なんとも辛気臭い男でありまして。
カッコいいんだけど、なんか常に雨に打たれているかのような、悲壮感漂う男でありました。
雨に濡れた野良犬。
もうとにかく画面がグレーって感じで、すごく湿気てた。
この映画のキーポイントとして、生まれつき病気・障害を背負った子どもというのがあって。
それはあらすじにも書いてたんだけど。
この暗い探偵の捜査から、どうやってそこと結びつくのか、映画の序盤ではまったく想像ができなかった。
それぞれが、まるで別世界で動いているような、そんな世界。
ここでは「新」という名前の男の子が、キーパーソン。
その子はかつて誘拐され、どういうわけか赤の他人によって育てられたんですよ。
重い障害を抱えた子どもで、9年間も他人の手で。
それもまた、ひとつのポイントでして。
すったもんだの後、その子の本当のお母さんが判明するんだけど。
その母親は、その子のことを「かわいいと思ったことがない」と、固まった顔のまま言うんです。
それが本音だったかは他人には分からないけど、ある意味で本音だったんだと思う。
なんというか。
自分が生んだってだけで愛情も情愛も自動的に生まれるんだったら、虐待される子どもなんて一人もいないはずだもんなー
私も子どもがめっちゃ好きってタイプではないので、子どもが特別にかわいいって感覚が人より薄い。
当然、子もいないし。
子育て中の友人に会った時、その子は元々子ども全般が好きな子だったけど。
自分の子って特別にかわいいもの?と聞いてみたら、、、
言葉を濁しつつも、
「これだけ一緒にいたら、そりゃかわいいと思えてくるってことにしといて」って言われた。
私が親であったなら、かわいいと思うと同時に、思い通りに行かない子を憎らしいと思ってしまう気がするよ。
ましてや、障害とか病気でこちらの負担も大きければ、ある時、プツンとなって手を上げたり蹴ったりしてしまいそう。
自分の子だと、なおさら。
子どもを持ったことがない自分には、想像するしかないけど。
子育てって、大変だわ。
思い通りに、いきゃあしない。
そんな親の苦悩なんかも、この映画では全面に押し出されている。
いくつかグスンと心に来るポイントがあって、私も途中から鼻をスンスンしながら見てたんだけど。
一番来たのは、明野さんの奥さんね。
その方がさ、重度の障害のある新くんがまだ乳幼児だった頃、ニット帽をかぶせて、
「かわいい!(関西弁)」
と言ったシーン。
それがなんかもう、本当にグッと来た。
だって、実の親から「かわいいと思ったことがない」と言われたのに、他人の女からかわいいと言われるなんて。
そこが純粋にグッと来たシーンでしたね。
むしろ、血がつながってない親子の方が、なぜか陽だまりのような温かさがあった。
(そういう画面演出?)
その方は子どもが欲しかったのに恵まれなかったからってのも、あるんだろうけど。
世の中、こういう矛盾はごまんとあるじゃない。
平気で暴力を振るうような人の元に子どもは来て。
本当に愛したくて思い続けている人の元に、子どもは来てくれずってやつ。
まあ実のお母さんも、かわいいと思えない胸中には、いろんな感情があって一旦蓋をしてる状態だったんだろうけど。
みんな、何かしら思い詰めながら生きてる姿がありまして、いやあ、難しい。
大変に難しい。
難しいけど、揺さぶられた感情があった。
時間つぶしで見ることにした映画だったけど、とても印象深い映画でした。