時にひきこもる思考

考察とnikki 一言で言えば、ただのエッセイ

ナップザックの思い出(家庭科)

オレンジの靴下を買って、オレンジの布を買って。
とうとうオレンジのカバンを作ってしまった。

それで思い出したから、今日は思い出話を少々。

小学生の時って、家庭科で基本的な縫い方を学ぶじゃないですか。
その教材として、プラスチックの裁縫道具セットを一人一個で買い、そして一人一個ナップザックのキットを買う。いや、買わされる。

2000年代に乗るか乗らないかの時期に小学生やってた私も、みんなと同じように買って作ったわけで。

その光景を覚えてましてね。

まず唐突に先生が黒板に1枚のチラシを貼って、数人ずつ、前に出てきて見るように言われ。
その後すぐにどのキットが欲しいかを、生徒に選択させる。
(悩んだり、家族と相談する時間ゼロ)

その時、誰が何を希望したかでなく、そのキットは何個注文するかってことで。
一人一回、手を挙げさせられた。
今思えば、ちょっと珍しいシステムを取ってた。
(注文票とか無かったハズ)

で、そのいくつかのデザインの中には、圧倒的女子に人気のやつがあって。
紺色の布地に、小さなピンクの星が散りばめられてるような、さりげなくかわいいやつ。

でも紺色だからちょっと大人っぽさもある。
流石に高学年にもなると、分かりやすいキャラものを持つ女子は少なかったと思う。
ピンク!くま!とか、そういうやつもあんまり。

当時はデニム素材のペンケースとかカバンが大流行りだったのもある。
クラスの半分以上(いや、8割くらい?)の子が、そのデザインを注文して作ってたもんです。私の仲のいい子が、みんなそれだったし。

そんな中、私はなぜかオレンジのナップザックキットを希望した。

それはもう、派手なオレンジ。
特別、オレンジが好きだったわけではない。

当時から目が悪くて、黒板の上に貼られたチラシの小さなデザインが見えなくて。
それで一番目立つやつで、女の子向けっぽいやつをチョイスしたとか、そんな理由だと思う。深くは考えてなかった。

「パッションオレンジ」だか、「ファイヤーオレンジ」だか、とにかく熱い名前だったと思う。

で、小学生が一針一針を手縫いしたそのナップザックは、遠足とか校外学習で持ってってた。

多くの子が、先に挙げた星の紺色だとか、男子は黒系とかブルー系(イカしたドラゴンが書かれたやつね)、私以外にオレンジのザックを背負った同学年の子を見たことが無い。
(デザイン数、そんなになかったのに)
(誰一人選ばなかったデザインを選んだ私って、、)

でも、結構気に入ってたんですよね。
みんなで荷物を置いといても、すぐに自分のだって分かるし。

明るいオレンジのナップザックって、かわいいよね。
元気が出る色だし。

私の小学校は制服があったから、地味な制服にオレンジのカラーが映えてたと思う。
周りからも「(そのナップザック)かわいい」って言われてた。

懐かしい記憶です。
もう現物は捨ててしまったから、記憶の中でしか蘇らないけど。
やっぱり、そういうの覚えてるもんですね。

で、そこから20年以上経った今も、同じくオレンジの布でカバンを縫っている。

ある意味、成長してな、いえ変わってないのかもしれない。
(いや、あの家庭科の授業は人間にとって一生使う知恵と技術を教えてくれていたのだよ)