正月休みに読んだ本、2冊目。
同じく貫井徳郎作「紙の梟」。
これが一番新しい本。
本屋でも堂々と置いてあった。
(他は、あんまり見つからなかったから、、)

これは短編集、いえ、オムニバスというのかしら。
共通する世界、「もし、日本が人1人殺したら死刑になる世界だったら」。
つまり、「もしもBOX」で作られた世界の中でのエピソードってやつだ。
このもしもの日本では、殺人を1度でも起こしたら自動的に死刑が決まる。
なんていえば単純な話なんだけど。
「なら、1人を殺害したら楽に死ねる」ということで、自殺志願者が犯行に及んだり。
どうせなら、社会的なクズを狙うことで英雄になろう、なんて考えたり。
一人殺すも2人殺すも一緒だと、まるで金田一少年に出てきそうな怪人的発想を持った人が出たり。
逆に死にたくないから、極限まで痛めつけて、でも相手の命までもは取らない、そんな計算した人が出たりもする。
はたして、その法律は、それでよかったのだろうか。
とはいえ、この世界。
圧倒的多数は、現在の制度に賛成派。
一方で少数ながら「死刑反対」派もおり、そうした人たちは、多数の賛成派から猛反発をくらったり。
抹殺すべき社会の敵、扱いを受けたりしてるらしい。
自分が死刑反対派と発表したら、非常識だと叩かれる世界だ。
いろんな言い分が両方にあるんだろうけど、何をやっても、ひとつの意見で綺麗にまとまるなんてことは、ありえないみたいですな。
まあ、それくらいまでには、犯罪者を野放しにするのは看過できない世界ってことで、
世界でも類を見ない国となっているそう。
なかなかおもしろい妄想小説でした。
短編なので当然1コ1コは短い。
長編好きとしては、ちょっと物足りない部分はあるけれど。
あらためて自分は、この作者の「主人公が真相に迫っていく話」が好きなんだと自覚した。
最後の「紙の梟」なんてのは、まさにそんな「主人公が真相を求めに行く」話になってて、やっぱり読んでて一番真相が気になった。
引き込まれましたねぇ。
で、こちらの主人公は案件が案件だけれど、最初から自分の足で探すのではなく、探偵事務所に依頼することから始まった。
そしてSNSで情報を募り、そこからすべての真相に迫っていくという、今時らしいスマートなやり方をしており。
まるで「悪の芽」の小説を読んでいたかのような。
自分なら最初から、探偵に頼むな、と。
うん、やっぱり、真相に主人公が近づいていく形式の物語が好きだ。
そういや、タイトルにもなっている「紙のフクロウ」ってのは、表紙にも出ているように折り紙のフクロウなんだけど、私は子供の頃、サンリオの青いフクロウのキャラクターが好きだった。
なんで好きだったかというと、折り紙での再現性がよくできていたから。
小学生だった自分は、そのフクロウの子を何個も何個も作ったのだった。懐かしい。