長年使ってきた長財布を、とうとう新しいものに替えようと思えた。
いや、そんなに買い替えたい欲はなかったんだ。
気に入っているというよりは、別にそれで何の不満もなかったから。
小銭入れがちょっと汚いよなとは思っていたけれど(真っ黒です)、それ以外は別に。
一切の不満がなく。
あえて言うなら、ちょっとだけ重いくらい。
ちょっとここでかつての長財布を振り返ろう。
薄いピンクを基調にした、柔らかいカラーが特徴の長財布です。
長財布と言っておきながら、「長財布です」と主張している9割以上の長財布たちに比べて、一回り小さいのがポイント。
小さいけど、問題なくお札は入る。
逆に、なんで世の長財布はあんなに大きいのか疑問すら浮かぶ。
そんなに大きい必要性、ありますかね。
ただまあ、この一回り小さい余裕のなさを(あるけど)厚みでカバーしている特徴はあります。
だから場所をあまり取らなくて、薄くないため掴みやすい。
そんなに大きくない私の手にも納まりがよかった。
構造は左右対称なため、お札も小銭もカードも全て2ヵ所に入れられる。
それを手帳みたいにパックリ割って開くというデザイン。
その分、ちょっと重く厚くなる。
なかなか無いんですよね、この手のデザインって。
(ファスナーでまずは全てを開くタイプの長財布は、一見洒落てるけど、なんか無駄に全てが大きいのだ。硬いし)
だからまあ、この財布に何の不満もないわけですよ。
ただ、買ったのが23くらいの時なので、9年くらいが経過しているわけでして。
そろそろ買い替えるべきかしら、と思いつつお店を適当に見て回っても、そこまで意欲をそそられるものがなく、「まあ、そのうちでいいか」とそこまで気にしていなかった。
なんせ、一切の不満がありませんから。
なんなら一生これでも、大きな不満はなかったでしょう。
そんな思いを抱いていた中、たまたま立ち寄った場所のレザー雑貨コーナーにて。
いいなと思って開いてみたら、まあ、よかったのと。安かったのと。
一回り大きいけど、その分薄いのです。
中は布なので、しなります。(しなるって、大事なポイント)
結局ピンクなのかいっていう。
財布というよりポーチですね。見た感じは。
一番出番のあるカードは図書利用カードです。
財布の中身は必要最低限。
収納、ポケット、大容量。私に最も不要な言葉だ・・・
やっぱり手に持っていて、この色は落ち着きますねぇ。
馴染みます。手に。
今にして思えば、あの9年ものの財布は、私の暗い20代を共に過ごした長財布だったわけです。
あんまり物も買わなかったから大きなお金の出入りはなかったけど、2度の無職を見てきた奴です。
私の怒涛の遠出の際にも、必ず。そう思うと、なんか感慨深い。
ただ、やっぱりちょっと重かった。
財布なんて頻繁に買い替えるものでもないから、つい、その時の記憶を重ねてしまいますね。
本当にまだまだ全然使える財布だけど、紆余曲折に付き合ってくれたこの財布を終えて、何かを切り替えていきたいと、そういう心境であります。