冬に移行するまでの時期に着られる長袖は3枚だけだから、必然的にこの3枚をローテーションで仕事に着ていくことになる。
どれも気に入っているものだが、このうちの1枚を着るたびに(まあ、3日に1度だけど)色々と思考を巡らせる。
その1枚は、確か7年くらい前に買ったものだ。
だからつまり20代の半ばの頃で、1枚2千円なのがやけに安かった。
その時2枚を色違いで購入した。
なんたって安かったのと、丈が短い感じが背丈の無い自分に合うだろうと思って。
実際に着てみると、バランスのよい丈感だった。
その後、また別のカラーがセールしてたので追加で買った。
だから同じ服が色違い3枚手元に揃ってた時期があった。
そのうち2枚はもう手放している。
黄色と水色だった。
最後に残ったのが、現在着用しているグレー。
まあ、地味で無難な色が残ったのは別におかしなことではない。
なぜ2枚を手放したかというと、単純に着心地の問題であった。
昔から上半身は肉付きがいいため、二の腕付近がちょっとだけ窮屈に感じてた。
しかし、グレーの着心地にはなんの問題もなかった。
これは購入した当時から気にはなっていた。
まず、タグの位置が違っていた。
黄色や水色のものはタグが洗濯表示の所についており、だからこそ前後どちらを前にしても着られると店員さんが言っていた。
しかしグレーは、一般的な首の後ろ。
この時点で、何かがおかしいと思った。
そして着心地が違った。
当時確認したところ、黄色水色は綿100(かもしくはポリウレタンが数%入ってたかも)だったのに対して、グレーはポリエステルにレーヨンが入っている。
ついでにポリウレタンも。綿は1%も入っていない。
これが意味するものが分かるだろうか。
ざっくり言うと、ポリエステルが入ることで多少の光沢が入り、レーヨンが入ることで着心地がよくなる。
しなやかとでも言えばいいだろうか。
そしてポリウレタンが入ることで伸縮性が生まれる。
化学繊維は全体的になめらかで着心地がよくなるのだ。
ただし、ポリウレタンは劣化も早い。
それに対して綿100だと、丈夫だけれどその分硬く光沢もないからカジュアルな印象になる。買った直後だとよけいに。
確かに黄色水色はやけにカジュアルで安そうな、いえ若者らしい印象だったけど、グレーは光沢があって滑らかで、ちょっと高価に見えた。
そして、これが一番の差。
黄色水色が中国製なのに対して、グレーは日本製なのである。
同じラインナップの色違いで、ここまで別なことってあるのだろうか。
それはもはや別商品だろうと思うけど、同じ場所に置いてあったし色違いだと言われた。
見た目だけなら全く同じ型なのだ。
それなのに、作っている国も違えば、素材の種類もまるでちがう。
着心地もシルエットも違う。こんなことってありますかね?
でも値段は一緒なんですよ。
同じ服の色違い商品なんで。
今でも色違いで服を購入することはあるけれど、この服を着る度、頭に疑問が浮かぶ。
こんなことって、あるのだろうかと。
(色によっては、使っている糸等で差が出るのかもしれないけど)
色違いで購入することはよくあるけれど、ここまで面白かった色違いは他にはない。