時にひきこもる思考

考察とnikki 一言で言えば、ただのエッセイ

職場にいた同級生

新しく行くことになった職場に、実はひっそりと同級生がいた。

いや、元クラスメート。

ロッカーがあって、そこのネームプレートを見た時、なんか初めましてな名前ではないな、と。
その音を聞いた時、なんか心当たりがあるのだった。

同時に顔も出てきた。
その名前から呼び出されてきたのは、間違いなくその子。

それがその本人かどうか、定かではなかったけれど。
(女子の名前なんてバリエーションが少ないのだ。同姓同名の可能性も捨てきれなかった)

遠目でチラッと覗き見たけど、それっぽい気もするけど、どうなんだろう。

ハッキリしない。
だって当時中学生、あれから20年近く経過している。

化粧もしてるだろうし、顔って結構変わるじゃないの。

しかし、今朝すれ違って朝の挨拶をした時、「ああ、やっぱりあの子だな」と確信が持てた。
同時に社内で公開されているプロフィールの写真を見て、それは決定事項に変わった。

やっぱり、聞き間違いではなかった。
私の記憶力って、なかなかしぶといよな。

 

その日は、どういうわけかお手洗いでもすれ違い、結構接触した日になった。

とはいえ他人同士なので、あえて聞いたりはしない。

いや、してもいいけど、来たばかりの人間からいきなり席以外の場所で名前を呼ばれたら、さすがにびっくりされる気もする。

それに、単なるクラスメートだった人間の一人。

どうせ向こうは、私の存在すら記憶していないに違いない。
別に、再開して喜び合うような間柄でもない。キャラでもない。

何より、やっぱり正社員で働く同級生と、独身なのに非正規でノコノコやってきた人間ってのは立場に差があるし、ちょっと引け目を感じるものなのだ。

それでも覚えていたのは、やっぱり本名の響きが可愛かったのと、顔がめちゃくちゃ可愛かったから。

当時中学生。
私はニキビ面で、視力が低くて目つきも悪かったから、なおのこと。
可愛い子に憧れというか、目が行ってたのね。

見た目も性格も存在も地味だった私に対して、存在感は中心的ではなかったにせよ、クラスで1番可愛かったと思うし。

それなのに、お互い30代なのに、独身なのか・・・

時代

気付けば、時は流れていた

結構大きな会社で、おそらくだけど新卒で入った正社員でしょう。
優秀なんだろうし、顔も大変整っている。
(会社ではメガネをしてるみたいだけど)

それなのに、独り身なのかぁ・・
(いや、一度結婚して別れた可能性もある。職場では旧姓で通している可能性もある)

そのあたりの審議は置いといても、いろんな意味で、結婚して名前が変わるって残酷ですね。

例えそうじゃなかったとしても変な疑いというか、疑惑が・・・
いやいや、お互い惨めじゃんか。

恐ろしいシステムだわこれは。

望む望まないにせよね、そういう目で見られる可能性があるってことなのよ。

そして、その一族でなくなったらまた名前が変わるんだもの。残酷だわ。

名前なんて、所詮その程度のもの。自分の立場や所属を表しているだけ。

個人としての価値よりも家だとか、そういう繋がりの中の短い時間だけを紡いでいるという単なる証明みたいなもの。

あーあ、むなしいな。
これなら、永久に変わらない番号の方が、まだ温かみがあるわ。

今まで深く考えたこと、無かったけど改めて問いかける。

名前って何?
なんのためにあるの?
ねえ、苗字、いります?


とはいえ、その子は今まで見てきた中で、一番「本名」がかわいい子。

響きも、字面も完璧すぎる。

苗字と名前両方そろったことでとびきり可愛いので、その子に関しては、いつまでも本名が変わらないでいてほしいとも思う。