昨日とその前日は休みを取っていた。
天気が悪いと分かってたので、やりたいことはあらかた初日の方で済ませておいたのだ。
すると、休み2日目には目的がなくなり、大層困ってしまった。
諸事情から家にいることができないので、どうにかして夕方まで外出するしかない。
実はちょっと前から一回見てみたいと思っていた「猫カフェ」が急遽候補に挙がって来た。
とはいえ、初めて行く場所に一人で行くのは臆病者には堪えるものだ。
行ってはみたいけど、これといって猫好きでもないし、寄って来なかったら気まずいし、料金かけてまで猫を見る必要があるのか?と、カフェの存在意義にまでいちゃもんを付け始めた思考。
(こういうのがいっぱいで、自分の気持ちは蓋をされたままになっているのよと、人から教えてもらった)
とりあえずは朝ご飯のためにハンバーガー屋に入って、しばし時間をつぶした後、色々思い直してやっぱり行ってみることにした。
場所はすでに知っていたので、そのまま迷うことなく。
でも一回お店をわざと通り過ぎており(この時点でも逃げようとしていた)、数メートル歩いたところでカムバック。
意を決して自動ドアのボタンを押す!
出入口の自動ドアの前には、逃げないように柵みたいなものが設置してあって、そこを開けて入ることになっていた。
まさに馬の気分。
勝手が分からないので初めての旨を伝えると、「まずは手を洗う」と基本なことから教えてもらった。
で、いざ猫のいる部屋へのドアをオープンして入ってみると、おお、たくさんの猫が。
開店と同時に行ってしまったものだから他に誰もおらずに、どうしていいか立ちすくむ。
「膝に乗ってくるよ」と書いてあったものだから、ひざ掛けを持って座り込んでみた。
猫たちは自由に過ごしている。
しばらくしてから、女性のお客さんが入って来て写真を撮っている。
で、ブランケットを載せて足を投げ出して座った。
すると、猫がその上に乗った!
その方が、「足をダランとすると、乗ってきますよ。(猫は)落ち着ける場所を探してるんで」とアドバイスをくれた。
おお、ありがたい。
私も漫画を手に取って(室内では漫画が読めるのね!)同じように座り込んでみると、おお、1匹の猫が来た。
で、手で私の腿あたりをフミフミとしてくる。
マッサージでもされてるみたいな感じ。かわいらしい。
(あとでこれを調べてみると、かまってちゃんな行為だったりなかったり。
確かに、私は漫画ばっかり見てた。なるほど、こっちを見てほしかったのね)
そしてその後、膝、というよりも股付近に乗っかって来た。
この猫ちゃん、しばしその位置から動かず、私はその体勢のまま漫画「坂本ですが?」の第一巻を読んでいた。
いやあ、猫って、あんまりかまうと逆効果って昔聞いたからさー。
でも、こういう所の子らは違うのね。なんともまあ、甘え上手というか。
彼らは、ここにやってくる大きい生き物が皆、自分らをかまってくれる、愛してくれるということを分かっている。
愛情を間近で感じながら生きてきたって感じ。まさに商売人。
それにしても猫ってあんまり近くで見たことなかったけど、結構大きいのね。
そしてズシリと重い。何より目がまんまる。ビー玉みたい。
ふと横の女性を見ると、なんとお下半身に4匹もの猫が乗っかってて、猫のブランケットが出来上がっとる!そんな状態でも、自宅にでもいるかのようにスマホをゆったりと見ている。
私はというと、結局1匹しか寄ってきてくれなかったのだけれど、その一匹が顔の近くまで覗いてきて「めっちゃ近い」とわたわたしていた。
しかもその猫、手を私の腰に回して抱きつくようにして眠りの体勢に入っとる。
人間の赤ちゃんみたいで、かわいいもんである。
近すぎて、写真がまったく撮れなかった。だって、常時胸に抱えている感じだったんだもの。
そして座椅子の上に30分以上同じ体勢で座ってたせいか、お尻が痛い。
ちょっと立ち上がったら、即座にその座椅子を別の猫に占領された。
1時間30分ほどで店を出て、初の猫カフェ体験が終了。
確かに猫は可愛い。すごく愛をもらい慣れている。
その愛情表現は見習うべきものがある。
しかし、張り紙もしてあった通り「猫は大人しい静かな人が好き」なのだ。
その後もお客が入って来たけど、みんな1か所で漫画やスマホを猫を載せながら見ている。
全く動じていないどころか、猫が乗っかっているのにも気づいてないような素振り。もはや猫がブランケットやクッション替わりだ。
居てもいなくても気にしていない、自然さがそこにはあった。
そう、彼らにとって猫は生活の景色の一部なのだ。
そんな光景に感動したものの、実はお店を出てから膝が少々痛む。
実は膝を伸ばしたまま長く座っていると膝が痛む悩ましき症状を患っていて、このせいでマッサージなど、長時間膝を伸ばした姿勢でいるのが苦手。
特にうつ伏せでのマッサージは、途中から必ず膝が痛むので、リラックスどころではない。
このカフェも、ちょっと膝を伸ばして座ってるだけで膝が厳しかったので、うーん。
かわいいけど、ただでさえ家でも長時間じっとしてるのに、ここでもじっと座ってるのか、お金まで払って・・・と思うと、なかなか自分には向かないなぁと思うのであった。
動いた方がなぜか楽、そんな私の膝を再確認させられた体験だった。