「生き残るアパレル 死ぬアパレル」という本を読んだ。が。
内容があまりにも難しすぎる。
かなり難解な読み物だった。
さて、今のアパレルの惨状をまとめると。
洋服が売れなくなった!と業界は騒ぐけど、その割には今までと同じようなビジネスモデルで突き進んでいるよ。
(とにかく売れ筋を追い、足りなければ作る、欠品は命取りだと騒ぐ)
売り上げは下がってるのに作りすぎる。服余りが起きてるよ。
(倉庫に眠る在庫は負債です、負担です)
なんでこうなるかってーと、日々縮小している現実があるのに、成長する計画しか立てられてないから。
つーか、今どきどこも似たような商品ばっか作ってて、違うのは値段くらい?
客はそれをよく見てるのに、メーカーがそれを見てないのか知らないが、どんどん追加で作っちゃうらしい。
「欠品はダメ」だと。
結果、作りすぎて捌けずセール乱発でたたき売り、そして在庫倉庫へまっしぐら。
ここのやり方が変わらない限り、どうにもならないと筆者は嘆く。
なんていうか、その日食べるものと違って、その内着たいものなんて、その場で売ってなくともネットで探すし、似たものなんて沢山売ってるし。。
ここのコレじゃなきゃ!なんてのは、こだわりの強い人間くらいで(私もそこに入る)、ユニクロでいーやと思ってる人たちは、多分そんなこと気にしない。
着れてそれなりに見えれば、それでいい。安けりゃ大歓迎。
ある意味、顧客にとっては、今の在り方の方がセールいっぱいしてくれて助かるんですけどね。
とはいえ今の世、洋服がとにかく多すぎる。
断捨離、片付けの本やテレビでは必ずといっていいほど、クローゼットに詰まった洋服に悩む女性(主に主婦)の姿が。
かくいう私も、数年前に大量に処分しました。
食料にせよ、とにかく何でも大量に作りまくるのが日本のやり方なんですよね。
それ自体は、顧客のことを考えた結果だったり、結果、売り上げにつながるからいいんでしょうが、在庫処分は結構大変みたいですよ。
置いておくだけでお金がかかるんです。どっかのマスクと同じです。
一番安くつくのは、焼却処分。でも、これやるとめっちゃ非難を浴びるという。
ましてやこれからの時代、そんなことはますます許されなくなる。かといって保管は、お金が。。。
そんな、アパレルが生き残る道とは。
そこでZARAが挙げられる。
ZARAはとにかくトレンドの服を作り、さっさと売り、無くなれば終わり次へ行くという、半端ない高速サイクルを繰り返す。
なんでも、ハイテクを高度に用いているらしく、この分野でZARAに敵うアパレルはないと言われている。
その要因は、トレンドをリサーチする人を世界各地に送っているから、らしい。ふーん。
トレンドでZARAには勝てない。かといって、ユニクロにだって勝てる企業はいない。
ユニクロの魅力って、やっぱり品質もそれなりに、なのに安いってことだよね。要はコスパがいいんだよ。
そういう下地があるからこそ、買う人が多くなるし、多いからコーデの提案にも使われやすく、また参考にするレビューも多くなる。つまり、より買う理由に繋がっている。
それなのに、他の企業は売り方にばかり意識を向けて、やれAIだの顧客分析だのECサイトだのと技術ばかりを向上させ、まあ洋服そのものに目が向いてないと、まずはその「作り方」に目を向けろ、というのが主張であった。
コスパでユニクロに勝てない以上、滅ぶ未来しかないぞ、ということだなうん。
とはいえ、私はあまりユニクロを利用しないし、そういう人も多いと思うけど。
下着類はユニクロで毎年家族分揃えるって人は多いでしょ。
そういうとこも、もう顧客として囲んでいるのがユニクロのすごいとこだよねー
ついでに、洋服に全くこだわらない人すらも囲んでいるのだから、もう他の企業が入り込める余地はないよね。
あらためて、ユニクロってすげえやって思う。
でも、人が素敵な装いをしているのを見るのが幸せな私個人からすると、みんながユニクロを着てしまったら大変つまらなくなるから、他の企業には頑張ってほしい。
素敵な装いをしてたら、気分がいいでしょ。それを見ているこっちだって気分がいいの。
ユニクロって、滅茶苦茶似合う!素敵!ってことはないでしょ。え、仕事にそんな要素必要かって?
いるんです。見てる側のモチベーションのことも考えてください。仕事はチームで行うもんです。
ぜひ企業には、人々の気持ちが向上する「着ていて幸せな自分」になれるものを作ってほしい。
これからの時代、量は不要です。
量よりも、「いかにその人を楽しませてくれる服」がキーワードになるんじゃないかと。つーか、そうであってほしい。
ねえ、企業さん分かってますか?
みんなが欲しがっているのは、お洒落に見えるイマドキの服じゃないんですよ。
自分が素敵に見える服なんですよ。だからみんな、メイクとかヘアケアとか頑張ってるでしょ。
洋服もあくまでその一部だってことを、忘れないでいただきたい。
でも、上手くいってるところもあると思うんだよね。ネット販売で、すぐに売り切れが出るところもあるし。
(今思うとレア商法って殺到するのに、アパレルはそれとは真逆やってるのね)
個人的には、強い発信をしている人に取り入るってのが、一番安定的だとは思う。
そのためには、やはり魅力ある商品を作らないと!
覚書メモ
原価率の高さ=調達の下手さ
商社とうまくやってるとこは、そのままの値段で調達できるが(原価率は低い)、
そうじゃないとこは、吊り上げられてるってニュアンス(結果、原価率は高くなってる)
原価率が高いものがお得とは限らない。
『生き残るアパレル 死ぬアパレル ZARA、ユニクロ圧勝の秘密を明かす』
河合拓