時にひきこもる思考

考察とnikki 一言で言えば、ただのエッセイ

職場の皆さんの服装(20代から60代まで)

冬の到来に、私は焦った。

新しい紫のスカートを履いていこうと思ったが、あいにくと天気が悪い。

これからの季節、さすがにスカートに靴下ではもう寒かろうと引き出しを開けてみたところで気が付く。タイツが全て10年ものであることに。

どれも、大学生~23歳の頃に履いていたもの。

その当時は、必ずスカートかショートパンツだったもので、タイツは必須だったのであるが、いつしかスカートを着なくなってから、新しく買うこともなくなり、履くことすらなくなっていた。

流石に10年ものの安物タイツを履くわけにはいかない。なぜなら、職場の皆さん総じてお洒落なのである。

 

下は20代真ん中、上は60代。

皆、まっとうな恰好をしている。

職場は特にこうでなければならないという暗黙のルールもないため、皆、服装は割と自由だ。力作業も入るので、デニムOK、スーツOK、ブーツもOKだ。

主婦なら主婦らしいものを、縫物が得意ならば自作のものを、制服化したければスラックスにシャツを。

特に、60代の定年間近の2人の方の服装は、それぞれの個性が出ていて素敵だ。

どちらも小柄だが、一人はスラっとした体型で膝下がまっすぐ、筋肉が一切出ていないタイプなので、いつも膝丈タイトスカートを着用。
今日なんて、ショッキングピンクの冬素材のジャケットを着ていた。パンツ姿を見たことがないくらい、徹底してスカートオンリーだ。

もう一人は、裁縫が得意なため、自作のロングスカートがコーディネートのメインだ。

ワンピースも作れるらしく、ある時は緑チェックのワンピースで袖部分だけが白のブラウスになっており、それに合わせたブーツとポニーテール姿は、まさにハイジ。

童話のような可愛らしさを醸し出していた。

その方、今はショートカットにしているので、よりハイジ感が出せそう。

編み物も得意らしく、「見たことのない編み方をしたニットを着てきている」と評判だ。パンツもたまに履かれるが、やはり自作のスカートコーデが一番よく似合っている。

声がめちゃくちゃ大きくて目がくりっくりで、少女のようなエネルギーを持っておられる方である。

 

50代の方の服装も捨てがたい。

普段、茶色に染めたショートカットに眼鏡、パンツといった出で立ちが多いとある女性は、一見すると少し強面だ。最初、ぶっきらぼうな印象を受けた。

この方、パンツであっても必ずヒールのパンプスかブーツをお召しになっている。そこがなんとも女らしい。たまに履くスカートでは、必ず袖なしダウンジャケットを合わせ、女に寄りすぎない絶妙なラインで勝負をかけてきている。

つい昨日は膝丈のデニムスカート(前スリット入り)に、袖なしダウンジャケット、ヒールのある赤いレザーブーツを履いていた。あくまでかっこよさが主軸なのだ。

とある方は、ガーリーな雰囲気を持った上品な女性で、しゃべり方も声も丁寧で可愛らしい。そして、結構エライ管理職である。そんなご本人は上品なフレアスカートにピンヒール。

私の上司である女性は、いつも必ずスラックスにシャツ。

このシャツが、赤紫のストライプだったり、赤紫だったりブラウンだったりと、洒落た味わいのあるものばかりで素晴らしい。

顔つきもシンプルで、賢そうな風貌をより一層際立たせる装いがカッコいい。

 

40代が一番層が浅い。

一人、外国人の男性をパートナーに持つ女性がいるが、これまた背がスラっと高く、背が高くないと似合わないとされる服装を堂々と着こなしており、同じストールを巻くにしても、本当に洒落て見えるのだ。敵うわけがない。

 

20代30代は、一番つまらない層と言えよう。

なんというか、何を着たってかわいいのだ。

体型やキャラクターも薄っぺらく、先に挙げた年代の方ほど私服へのこだわりもまだない、そんな年代の彼女らは、私服よりもすべきことが沢山あるのだ。

というよりも、服装が勝負どころではないのだ。顔とスタイルだよ。ええ、この年代の苦しさの原因はコレである。

唯一、ジャケットを主軸にダークカラーのフレアスカートを合わせることが多い子は、この時期ブーティを合わせており、そのカジュアルダウン化にセンスを感じる。

 

ちなみに、先に挙げた方たちは、皆長く仕事をされているため、給料もそれなりにもらっている方たちばかりである。同じ年代といってもパートで来られてる方たちの服装は、やはりそれなりのものである。ボーダー率の高さよ。

こうやって見て思うのは、お洒落というものは、年齢を重ねた方が味わい深いということだ。

かけられるお金ももちろんだが、その人を長く身近で支えてきた洋服たちは、その人の趣味や個性、主張、そういったものの総決算なのである。

各々の身体の特徴や性格、キャラクター、今の生活状況など、そういったものを色濃く表している。

服装というものは、意思である。

自分はこういう人ですよ、という分かりやすいシンボルマークのようなもので、だからこそ、周りの人の装いを見るのが好きである。

そういう環境だからね、ビロビロになった10年前のタイツなんて履いていけないわけよ。

今週中に、スーパーにでも見に行こう。