不思議な歯ブラシを買った。
360度、回転するかのような歯ブラシ。「POPOTAN 優」という商品。
回転しそうな形状で、実のところ回転はしない。ちゃんと、パッケージにも注意書きがある。
タンポポの綿毛のような、いやコップを洗うブラシを彷彿とさせるこの形状。これでも歯ブラシである。
この、いかにもおかしげな形状に笑ってしまい、買ってしまった。
さっそく使用しようと、口に入れて思った。
これ、どうやって磨けばいいの・・・?
毛は、すごく柔らかくて細い。一般的な歯ブラシより、2倍も3倍も細そう。
本来、歯ブラシの四隅の角を使って、歯と歯、歯と歯茎の間をこするように磨くけど、これでは歯と歯の間に、うまくかみ合わない。回転させてみても、うまくプラークを掻き出せている気がしない。
調べてみると、実際、回転などさせず普通の磨き方をする、とあった。
え、これで、大丈夫?
しかもこれ、歯磨き粉を付ける場合、どこからどこに付ければよいの?私は歯磨き粉を想定していないため、そこは別にいいけど、気になる。
正直、歯の表面と歯茎を磨くなら十分だが、これだけですべてのプラークが落としきれているとは、とても思えないなぁ。いや、普段から柔らかめのものを使うんだけどさ。
でも、メリットはある。
すごく時間をかけて磨けるということ。丁寧に磨ける。
柔らかい故に力を入れずに済むし、何より、歯茎のマッサージには最適。磨き終えたあと、なんか歯茎がいい感じに緊張している気がする。いい刺激だ。
しかも、痛めつけることなく!
歯茎磨きに、これは使えそうだ。歯茎が弱っている場合には特によい。
そもそも、歯磨きってのは、プラークを取る代わりに歯茎を傷つけるというジレンマを持っている。できれば歯茎を傷つけずに磨きたい。
もちろん、これだけでは歯磨きの全ては賄えず、歯と歯の間は、フロス等を使う必要はあるけど。
初めは戸惑った歯ブラシだったけど、3日もたてば、徐々にこの歯ブラシの磨き方というものが分かってくる。
歯と歯茎の間も、この歯ブラシの上もしくは下の角を使って磨けば問題ないし(そこは一般的な歯ブラシと同じように)、毛が細くて柔らかい分、間の溝に中に入っていきやすく、傷つけることなく平和に丁寧に磨ける。
角度を付けるため、持ち方を多少変えつつ磨かないといけないから、力を入れてガシガシ磨けない。どこを磨いているのか分からないから、自然と鏡を必要とする。その結果、丁寧な歯磨きが実現する。
歯茎の血行にも良さそう。心なしか、色も良く引き締まっている気がする。朝、舌を磨いていても、なんか気持ちがいい。優しさが伝わってくる。
これはこれで、ちゃんとした役割を持った立派な歯ブラシだ。
毎回いろんな歯ブラシを使い分けてるけど、今後、これもその1本に加えよう。
ちなみにこの歯ブラシのトリビアを一つ。
実はこの歯ブラシ、水に浮きます。