時にひきこもる思考

考察とnikki 一言で言えば、ただのエッセイ

間食に生魚

 最近、かなりお気に入りな食べ物がある。

カツオのたたきです。

 

今年に入ってから、たまたま食べる機会のあった料理だけど、こんなにおいしいとは。

今まで魚だと、個人的にマグロが王様だったのだけれど、いやはや、これはマグロを超える逸材。

なんというのでしょう。

味や触感は、マグロとそんなに変わりないはずなのに、なんだろう。

かなりカツオがおいしく感じられる。

強いて言えば、マグロの方があっさりしてる。

カツオのたたきは(少なくとも身近で食べられるものは)、ちょっと癖がある感じ。

より生魚感がある。まあ、見た目として、皮が付いているせいもあるけど。

でも、この生臭い味がたまらない。後を引く風味。

 

刺身だろうとたたきだろうと、何もつけずにそのままいただくのがベスト。

醤油やらワサビをつけて食べる方がいるけれど、あれでは魚の味が分からないだろうに。

あの、生臭さを味わいつつ、切り身の舌触りを楽しむのが、刺身の良さではないだろうか。醤油に浸された刺身なんて、もうそれ魚じゃなくていいじゃない。

そのため焼いたり煮たりされた魚は、あまり好きではない。

やはり、魚の美味しさは、生に限るでしょう。

もちろん、苦手で食べられないネタもあるけれど。

 

子どもの頃から、魚料理が苦手で。

弟は魚、私は肉。

でも、唯一食べられるのがマグロの刺身。

まあ、他の刺身も食べられた可能性はあるけど、魚は無理だけどマグロだけは平気という自分が作り出した洗脳のせいで、マグロ以外を食べてこなかったから本当のところは分からない。

なぜ、マグロだけが大丈夫だったかも、正直不明。

味があっさりしているから、魚を食べている感覚が薄く、苦手意識なく食べられたのかもしれない。

とにかく、味が舌にマッチしたのだろう。

結局、おいしいものが、好きなものである。

 

で、今日の帰り道、スーパーに寄って来た。

実家暮らしなため、食べたいもの以外は買うことなく、スーパーにすら滅多に行かないというダメな30代だが、今日は夕方、やけに空腹だったから何か食べるものを買おうと立ち寄った。

スーパーに入った瞬間、カツオのたたきが食べたくなった。

小さい切り身が4つ、これじゃ全然お腹が満たされないが、仕方がない。

魚はスーパーであっても高いのだ。

 

私、さんざん魚の生なところが好きだのなんだの語って来たが、実は魚が大の苦手である。

食べるのではなくて、見た目が。

魚という生き物の全てが苦手。多分、とんできたら、失神する自信があるほど。

だから水族館も、ちょっと苦手。

熱帯魚や大型の魚はまだ平気だけれど、サバだのイワシだの、その手の魚が絶対的に無理。

鳥肌が立つ。

これはもう、生理的に無理というやつだ。

もちろん、死んだ魚も無理。魚のあの姿かたち、目、もう何もかもが受け付けない。怖い。

 

だから当然、魚屋さんや、魚コーナーも苦手。写真ですら無理。

生きたままの姿で死んでいる死体を、見るのも触るのも調理するのも無理。

サバの頭の飾り?そんな家、近づくことすらしません。

金魚すくい?お金を払ってでも辞退したい。

海?絶対入らん。

 

だから、正直、カツオのたたきのために、魚コーナーに近づいて探すのもかなりの冒険だった。

「怖い怖い」と心で叫び、遠目から目で追う。

まあ、大抵刺身コーナーにあるし、刺身だと切り身になっているから、助かる。

そう、刺身が大丈夫なのは、死体のままでなく調理された姿だから、というのもある。

あ、もちろん原型保ってたら、調理された後の姿だって無理ですよ。

焼き魚は、そもそも近くで見れないし、子煮干しだって立派な魚。はいダメ。

ついでに言うと、エビやカニもダメ。エビフライやカニカマなら大丈夫。

 

だって、みんな鶏やら牛が死体のままで売られていて、さあ買って自分で捌いてくださいねって言われたら、多くの日本人が「無理です」ってなるでしょ。

私に言わせれば、鶏と魚、どう違うのかって話よ。

どちらも同じ元生き物だった、死体だよ。