時にひきこもる思考

考察とnikki 一言で言えば、ただのエッセイ

後ろ向きな就職活動

みんな、どうしてそんなに前向きなんだろう。

仕事をよりよく探すために、インターンシップに参加する。しかも驚いたことに、7割から8割の3年生が、どこかのインターンシップに参加するという統計データを見た。もちろん、学校によると思うが。

しかもだ、1つや2つでなく、10近くもの企業にインターンに行く学生もいることを知って、私は驚きまくった。

 

そして、皆が一様に口をそろえて言うのが、重要なのは情報と行動力。あとは、仲間。

行動力があるからこそ、いろんな企業に出向いていける。仲間がいれば、情報を共有できる。一人でできる時間には、限りがあるからね。

そして、いろいろ考えるに陥った。

みんなこうして、真剣に就職先を探している。自分の人生を正面から向き合って、自分の足で歩こうとしている。

それに比べて、当時含め、私って・・・そんな風に落ち込む。

 

どうにでもなれ主義というか、今の苦痛から逃れたい、現実逃避する性質が今も昔もあると思っている。

ここで苦痛から逃げられるなら、将来苦労してもどうでもいいや、そんな投げやりの人生観。


どうして、こうなんだろう。

どうして、もっと自分の人生、自分というものを大事にできないのだろう。今も昔も。

そんなことを思いつつ、その日の夕方、眼鏡を受け取りに行ったの。

悩む思いは霧散した。

自分で選んだものを所有する喜びに、心が躍った。

 

つまり、こういう経験の少なさだ。世界の狭さ。

あの頃の自分は、情けないほど小心者で、弱くて、それでいてひねくれていて。

例えば、資格の勉強をしてたけど、申し込みに行く度胸がなくて、結局受けなかったりとかね。初めていく場所、どうしていいか分からなくて、結果、試しもせずに諦めてしまった。

しかも、その臆病な気持ちを自分で認めてたらいいものを、どうせ無駄になるから、もっと上を目指したい、なんて言い訳してさ。カッコ悪いよね。


面接も、行く途中で心が折れて、そのまま行かなかったりね。説明会も同様。

小心者過ぎて、怖くて、勇気がなくて、ドキドキしすぎて身が持たなくて。

そういった臆病な心が、あらゆる経験を積む大きな壁になっており、その経験のなさゆえに、生きる楽しさや自信が身に着かなかった、のではないか?

 

しかも臆病な癖にプライドがあって、弱い自分なんて見せたくないと、決して弱音も吐かなかった。いつも孤独な方に行ってしまい、助けを求めることすらしない。

だから碌な結果にならない。いつも、抱え込みすぎる。自分の中にたまっていく。

 

一人じゃ何もできない子が、一人で仕事を探しに行くなんて無理でしょ。

一人で会場、企業まで行くのなんて、もう大変な冒険よ。私にとっては、海外旅行に行くくらいの心境だった。

帰って来られることが一番の目標だった。決して、合格することが目的ではなかった。

この時点で、求職者として失格でしょ。やる気あんの?いいえ、なかった。

 

もっと外に出て、自分にもできること、つながり、楽しみ、そういった積み重ねがあったのなら、もう少し世の中を違った目で見られたかもしれないし、もっと楽しくなりたい、もっと違うステージへ、そう思えたら、そのための過程だって前向きになれたかもしれない。

楽しさがもっと自分の周りにあれば。

可能性を考えられていたら。

その楽しさを見つけることにすら臆病になっていた自分が、仕事を探しに行くことに対して、前向きになれないのも無理はない。

そんな後ろ向きな自分には自信なんて欠片もないし、アピールすらできない。

 

本来、20代前後の時期って、根拠のない自信に満ち溢れている時期なんだよ。

友達に囲まれ、彼氏彼女がいて、遊んで、一番人生ちょろいと思っている時期じゃん。

そんな時期にどうしてか、臆病で暗くてネガティブで、世の中を反抗的に見ていた自分は、就職活動ができる条件のようなものが明らかに満たされていなかった。

それは、自分の人生を幸せに生きたいという目標が消失していた時期でもあった。

この時点で、負けていることを分かっていた。

勝てる気がしなかったし、そもそも勝負にすらならなかった。

体格で負けていて、スーツを着ている自分が気持ち悪くて、恥ずかしかった。

もう一回言うけど、求職者の正しい精神ではなかった。自分でもそう思うもの。周りから見ても、そうだったに違いない。

 

就職活動において、重要なのはたしかに情報や行動力、周りを頼る力ではあるけれど。

そこに至っていない精神の持ち主は、一体どうすればよかったのだろう。

もっと早く行動していれば、とか、あの時の受け答えを、とか。いろいろ後悔はあるのかもしれないけれど、そんなのは枝葉の問題で、もっと根本的なところが足りていなかったのを当時からも自覚してた。

それなのに、誰にも相談せず、口を噤んで、他人なんて信用できないなんて意地を張ってた自分がただただ恥ずかしい。

でも、そんな当時の自分は、他人に弱さを見せられず、本音を言えず、心閉ざしまくってたから、そんな自分に「もっと人を頼れ」なんてアドバイスをしても、無駄なんだよ。

それが少しずつ好転していくのは、20代の後半なんだよ。20の時では無理だったんだよ。

 

何事もタイミングや、最適の時というものがあるけれど。それは、それを行うのに適した体調だったり、精神だったりがうまく揃うときだと思うのだけど。

 

それにはかなりの個人差があるから厳しい。

人生で一番モテる時期が80歳じゃ、しょうがないんだよ。