時にひきこもる思考

考察とnikki 一言で言えば、ただのエッセイ

ガラの悪い着物

今日は成人の日か。。

 

いつもいつも成人式で新成人が酒飲んで暴れましただの、騒ぎ立ててましただの、そんなニュースは流さないでほしい。

どうせ、みんなで「これだからまったく・・・」という感想を言い合いたいために、報道しているようなものだ。
酒の肴にしないでほしい。


今からおよそ10年前、成人式には出ていないけど、一応振袖は着たのだ一応は。

前撮りの写真、まぁ式当日に撮影をしていないから、前撮りですらなく本撮りなのだが。

正直、20歳の頃、こういう行事に対してかなり卑屈な精神の持ち主だった。
今より心は荒んでいたし、何より、大人になるのが怖かった。

 

普通、みんなキャッキャ言いながら、着物を選んだりするんだろうか。

友人は親が着た振袖を受け継いで着たらしい。
レンタルの振袖にはない、とても上品な柄の着物で(白と銀を基調とした鶴だか鳳凰だかが描かれていた)、兄弟の結婚式にも着たようだ。

またある友人も、同じように結婚式に着用。
その子はピンクに小花が散っていて、とてもかわいらしかった。

 

私は・・・

10年前に祖母が買ってくれていたらしい振袖を、撮影時に見せられ、かなりがっかりした記憶がある。

私に似合いそうな感じと親から聞いていたから、ちょっと心ときめかせていたのだが。

実際に見せられたものは、白地に私が苦手としている派手な朱色に近いオレンジ系の着物で、柄もまあ、なんとも大胆で、全身からの主張がとにかく激しい。

まるでペンキで雑に塗りたくったような。
しかもほとんどが原色。見せてあげたいくらい。

とにかく裾から先まで柄でガラガラとうるさい。

 

正直に言わせていただくと、気に入らなかった。

似合うだろうと思って祖母が買ってくれたのだろうが、一体私に、どんなイメージを抱いていたのか、いろいろと疑いたくなる。

こういうガラガラした原色押しの強いものが似合う孫だと思われているんだろか・・・

ついでに、その時施されたメイクも私がこれまた苦手なオレンジ系のカラー。

着物の色と合うからという、美容師さんからの提案。

しかも、当時は髪を茶色にしていたためか、アップにしたら、かなりガラが悪く見えた。知性の欠片も見えない。

 

そんな感じだったから、全てにおいて積極的とは対極にいたわけだ。

さらに帯をきつく締められ身動きが取れなかったせいで、写真撮影の時には気分を悪くし、危うく吐くところだった。洗面器が出てきたよ。

なんとか持ちこたえて家に着いた後は、化粧を落とすこともできぬまま、頭にピンがいくつも刺さったまま寝込んでしまった。

 

うん、嫌な思い出だ。

まあ、ばあさんは喜んでくれたし写真も残っているから、記念としては良かったのだけれど。
県外に下宿していたから、わざわざ帰ってくるのも面倒で、結局お祝いなんてしなかった。

まあ、たかだか式に参加したからどうとかはないけれど、ああいう式典にきちんと参加するのも、ある意味必要なことかもしれない。

久方ぶりの友達に会うなんて、最高じゃないか。

そんなことを期待できる人が、私には羨ましいよ。

 

これからの自分たちの人生に期待し、これまで生きてこられたことにも喜び合える、
そんな日を肯定的に迎えられるって、素敵なことだと思います。

 

成人、おめでとう。