時にひきこもる思考

考察とnikki 一言で言えば、ただのエッセイ

憧れは、ずっとそのまま

昔、想像したことがある。

 

当時の私は自分の不本意な方向によく流されるがままだった。

例えば、中学校の時の部活動。

本当は、もっと別のことがやりたいって思っていたはずなのに、友達と一緒のところに入ってしまったり。で、結局辞めたし。

 

だから中学2年から、無所属。基本、みんなどっかの部活に入ってることが当たり前だったけど。

もちろん、入ってなくても先生からは何も言われなかった。まあ言われても、きっと無視して押し通してたと思うけど。

でも、自分としてそれは、納得していたわけでもなくて。

ものすごく後ろめたかったし。

放課後、みんなが部活の準備に動き出すのを尻目に、一人いそいそと帰るのが。罪悪感のようなものを感じたね。

だからこそ、3年になって、同級生が引退した後は、天国を感じた。

受験勉強という免罪符を手に入れ、仲のよい子らと、一緒の時間に帰れたのだから。まさに解放された気分だった。

 

ま、こんなことがあって、無駄に2年近く、感じなくてもよかったはずの罪悪感を感じてしまった時期があって。

正直、いつまでも罪悪感に浸ってないで、さっさと開き直ってもっと別のことでもやればよかったと思う。

実際、部活にはないスポーツを個人的に習いに行っていた子や、中途半端な時期に転校してきて、そのまま部活に入らずに3年生を迎えた子も、わりと仲の良かったグループ(?)内にいたというのを3年生になってから知ったし。

 

罪悪感感じてますって、言ってみれば、本当は後悔してるんです、本当は私も悩んでるんですって、暗に主張してるんだけどね。

この、みんなと同じ時間に感じる罪悪感や後ろめたさを、大人になり退職してからも感じてたわけだから、本当に進歩がないというか、なんというか。変わってないね、と笑うしかない。

 

もし、人生をやり直せるとしたら、どの時期からやり直す?っていう楽しい質問。

この無駄だった時間、もし、今の自分の記憶を持ったまま、過去に戻れたらどうするか?

考えてみたことがある。


もし、今の記憶を持ったままなら、中学からやり直す。

あの頃に戻ったら、もちろん勉強なんて簡単。英語も楽。

英語になじみが全くなかった中学1年時、英単語一つ覚えるのに、画用紙いっぱいに同じ英単語をひたすら書いて、それでも定着しなかった。

次第に慣れが生じて、随分と早く記憶ができるようになったけど、今の記憶なら、もう中学レベルの英単語は簡単。3回書けばきっと覚える。

因数分解も楽勝。暗記系の歴史は役に立たないだろうけど。

 

部活は、今ならいろいろやりたい。

昔、想像したのは陸上部。当時も興味はあったけどね。いかんせん、女子がいなかったのさ。

現実の私は別の運動部に入ってたけども、その練習や試合より、体育館が使えない曜日に学校の周りを走る方が好きだったのだから。明らかに好きなことが分かっていたのに、自分の好きを押し通せなかった。思春期ってつらい。


だからこそ、今度は間違えることなく、走ることを楽しむ。

日常的に走っていたら、もう少しスリムな体型を楽しめたかもしれないし、男子ばかりの部活だと、多少は男っ気のある人生に慣れるかもしれない。

そんな感じで楽しんで、勉強や塾にも行って。もう少し、本も読みたい。

 

基本、中学は意地張ってて一人孤立してたけど、今ならもう少し楽な立場で傍観できるかな。

当時は、先生と向き合うだけでも泣きそうだったけど、今の自分なら平気だろう。

中途半端に大人びてしまって、周りのクラスメイトが幼く見えて、一緒にはしゃげなかったから、今度は無邪気に中学生活を送ってみたい。

 

そんな感じで楽しく妄想して、ふと気付くのだ。

たとえ、今の経験や記憶を持って過去に行ったとしても、自分は学級委員長には決して選ばれないし、立候補もしない。特段目立つようなことは、きっとないだろうと。

そんなに目立たないけど、それなりにデキるクラスメイト。そんな位置に落ち着くのだと思う。

いろんな経験重ねた今の自分でさえ、あの頃の年代の中でリーダーシップを取るつもりなんてない。取れないし。

 

だから、やはり思うのだ。


いくつになっても、自分という立ち位置は変わらないんだなと。

180度違う人生、なんて到底無理。想像もできないと。

 

だからこそ、人はある程度小さい時から、自分のキャラクターや性質、立ち位置を分かっている。

器ってやつだよね。いくら知識や経験があっても、それでも当時、委員長をやってた憧れの子らには、絶対に適わないのだ。

 

笑ってしまう。

人の親になってもおかしくない年齢の自分が、中学生のあの子らに勝てないと、妄想の中ですら思っているのだから。

 

うん。まあいいや。