ネガティブな感情(恨み、妬み、嫉妬)が、どのような仕組みで湧いてくるのか、
そんな本をおもしろく読んだ。
妬みや嫉妬っていう感情は、子どもですら存在するというけれど。
はてさて、どうだったかしら。
10歳くらいの頃。
めちゃくちゃ憧れた子がクラスにいた。
人望が厚く誰とでも話せて、頭もよくて運動もでき、ピアノがうまかった可愛い女の子。何より、物おじせず、発表が上手だったところに憧れた。
仲がよかったわけではないけど、家が近くだから、その集団の中に、私も入れてもらって一緒に帰ってたわけだけど。
ただ近くにいれたことが嬉しかった。
当時から、ずっと憧れのままなわけで。
この憧れの気持ちが、何かを競うライバルや恋敵なんかになってしまっていたら、
いつの間にか妬みへと変わっていたのかもしれない。
でも、もともと自分からは遠い人だと当時から思っていたし、中学以降、どこで何をしているのかも分からないから、今でもやはりその子に対する感情は、憧れのまま綺麗にとってある。
その子以外にも、あまりにも運動も勉強もできて、誰とでも仲良くできる学級委員タイプでしかも可愛い子を好きになったことがあったけど。
やっぱり、憧れのままだ。
というよりも、大人になった今の私ですら、当時のその子らには勝てないと思う。
ただ、好きで憧れただけ。
10歳だろうが大人になろうが、変わらない感情。
ちびまる子に出てくる花輪くん。
まる子のクラス、3年4組内で圧倒的なお金持ちな小学生。
とんでもない豪邸に住んでいて、両親は海外在住だけど、執事のヒデじいがいつもロールスロイスでお出迎え。
住む家も、食べているものも、全て次元が違いすぎる花輪くん。
キザだけど、面倒見がいいのか気前がいいのか、クラスの中では慕われている。女子にもモテる。
クラスの子らを連れて星を見るのに山まで連れて行ってくれたり、夏は別荘に招待してくれたり、まる子た野口さんを東京まで連れて行ってくれたり。彼がいるからこそ、まる子はいろいろな場所に行って楽しめるといっても過言ではない。
(実際に連れて行っているのは彼本人ではないと突っ込んではいけない)
でも、そんな花輪くんが例えば学年が上がって、6年生くらいになったら。
はたして、まる子たちは9歳の時と同じように「羨ましい、いいなー」のままだろうか。
異性のまる子ならともかく、同じ年の男子からも、3年生の時と同じような感情で慕われるかなって思うと。やはり、事情は変わってくるような気がする。
いくら圧倒的なお金持ちであっても、自分と同じ年齢、同じ地区、おまけに頭も顔もいいとなると複雑だよね。
年齢が上がれば上がるほど、妬ましい、嫉妬の感情は大きくなるから。
まあ、花輪くんの場合、お金持ち度が桁違いだから、妬みの対象にならないかもしれないが。むなしいだけだ。
花輪くんを羨む感情は、妬みだ。ないものを欲しがる、羨ましく思う気持ち。
逆に嫉妬は妬みとちがって、もっているものを奪われるかもしれない、という危機感から来る感情らしい。
嫉妬で言えば、野口さんが2度目に登場した回での親友・たまちゃんの悩み。
永沢が山根君と一緒に帰っていたことを目撃した藤木が、永沢から「君は嫉妬している」と告げられた話。
まさに、藤木が自分のもっているもの(人=永沢)を、誰かに(山根くん)にとられるんじゃないかって心配に思った、そういう感情は確かに嫉妬だ!!
嫉妬は、自分の物を誰かにとられるかもしれない、そんな不安というか、猜疑心の気持ちから生じる感情でもあるから。
そんな感情を分かりやすく伝えてくれる国民アニメ。流石だ。
嫉妬はそれ自体をいい方向に向けることは難しいが、妬みは、まあ確かに自分を高められることは実感済みである。
悔しいから、自分も勉強する!って意地張ってみたり。
妬みはエネルギーに変えれば、ガソリンのごとく結構燃えるものである。