同じものに対して愛情を注ぐタイプの私。
それは言ってみれば、新しいものに、なかなか手を出せない保守的とも取れるが。
だからこそ、漫画であっても、新しいものに手を出すことはほとんどない。
たまに読むものも、すでに家にあって何度も繰り返し読んだ漫画のみ。
特に弟の所有物だった少年漫画は今でも愛着がある。だからたまに、懐かしさに浸っては読み返す。
そこで思うのは、昔読んだ漫画が、やけに心に響くこと。
もちろん、内容やシーンまでは覚えていても、その当時の興奮した記憶とか、そういった心の動きまで完璧に覚えていない、というのもある。
今読んでも泣けるシーンは、昔読んでも泣いてたかもしれない。
逆に、昔読んで泣いたシーンは、今読んだら泣かないかもしれない。
変わらない作品に対して、移り変わっていく自分。
当時の自分よりも経験をしてきた分、ちょっとしたシーンやセリフで、揺さぶられるものがある。
一番大きな変化は、悲しいシーンで泣けるようになったというよりは、嬉しいシーンで泣けるようになったこと。
キャラクターの嬉しさが伝わってくるようで、こちらまで震える。
昔に比べて、感覚が研ぎ澄まされている気がする。
経験が増え、あらゆるものが広がったおかげで、随分感情的になってしまった。
あるいは、単にため込みすぎて消化できない分、ちょっとした刺激にすらも敏感になっただけかもしれない。コントロールが、馬鹿になってるだけかもしれない。
しかしまあ、思い返してみても昔は鈍感というか、あまり気に留めていなかった事柄が多かったような気もする。それでもやっていけた、というのが正しいかも。
今は、いろんなことに対して、歯止めが効かなくなっている。
プラスの感情も、マイナスの感情に対しても。
だからこそ、昔読んだ本や漫画を、今になって見返してみると、また新たな視点で物事が見られる。
久々に読んだ「遊戯王」で、城之内君がキースに勝った瞬間のシーンはセリフがないんだけど、たった一コマ、その喜ぶ姿だけで嬉しさがこっちまで伝わって泣けてくるなぁ。。